フジュレイ・ド・ボークレール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年9月23日 | |||||||||||||||||||||||
<シャンボール・ミュジニ レ・ヴェロワイヨ(村名畑指定)> 黒い。この色合いは黒い。ピノノワールが出しうる限界の濃さのように見受けられる。これに紫が加われば、まさにクロードデュガ色になり、紫に赤みが増せばローヌの赤とも見間違えそうである。香りは沈み込んでいて思うようなアロマは感じないが、味わいは濃いのに上品なアフターテイストを持ち合わせている。濃いワインにありがちな荒っぽさはなく、この上品さと優雅さこそシャンボールの地の良さを実感する。ただうまみ成分が少し物足りないのは、村名ゆえか、若さゆえか。次ぎに飲む時はデカンタするのも悪くないかなと思ったりもする。空になったINAOグラスからは黒砂糖を焦がしたような甘い香りが漂い、飲み終わった後でもあと少し楽しめるワインである。 <マルサネ クロ・マリオン(村名・キュベ指定?)> 黒系の果実味が豊かである。黒に近い色合いは、このドメーヌの特徴だろうか。率直な感想はジュブレ・シャンベルタンを小さくまとめたような味。ブルゴーニュ地方名ワインと同じ価格帯にして、ジュブレ・シャンベルタンを感じさせるところは、フィサンの場所と単独アペラシオンが名乗れる実力の現われであろう。 <フジュレイ・ド・ボークレール> かのマルサネ・ロゼを造っていた名門クレーユダウの畑を、ルイジャドとブリュノクレールに分割される前に受け継いだドメーヌである。トップはボンヌマールで、ある筋からの情報に寄れば1999のボンヌマール最高評価を得ていると言う。さすがは名門の畑を継いでいる素性の良さを窺い知れる。手元に資料がないため詳細は不明だが、近年ロバートパーカーの絶大な評価も得てていると言う。なるほど、デュガを彷彿とさせる味わいは、飲めば納得である。日本でブレイクするかどうかは分からないが、もう少し言いやすい名前にしてくれるとありがたかったりする。 以上 |