DRC マール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年9月29日 | |||||||||||||||||||||||
<マール1984> 茶褐色が焦げたような深い色合い。40度を越すきついアルコール度数にもかかわらず、するりと喉を通っていく。この鼻から抜く香りには、しばらくの間時の流れを止めてしまう魔力がある。うまい。この蒸留酒を飲んでしまうと、ほかのスピリッツが遠ざかっていく。このマールはロマネ・コンティを醸造した後に残った絞り粕を蒸留して造られている。数年に一度しか造られない貴重な逸品にして、熟成させた蒸留酒の虜になってしまう。まさに命の水(オードヴィー l'eau de vie de Marc)である。 食事を締めくくる酒として、カナダのアイスワインの直後にサービスされたものだが、極上の甘口から一転、爽快な蒸留酒は気分も朗らかに、良いも相当廻ってしまう。あとは葉巻を燻らせて、時の揺り篭に身を任せたくなる。と思っていたが、なんだか妙に胃を刺激され、魚のうまみがぎっしり詰まった雑炊を何杯もお代わりし、いつまで経っても終らない豪華な夕食と相成った。葉巻より雑炊。なんて贅沢なんだ。 ちなみに同時にカルバドスの40年も堪能させてもらったが、これまた違った角度から心地よく全身を揺さぶってくる。本来ならこのカルバドスも単独で紹介したいところだが、なんだかすっかりよってしまって、次回のお楽しみということにしよう。今回の豪華な食卓について、この場を借りて感謝申し上げます。 なんだかちっともドリンキングレポートになっていないので、再び☆になっとこ。 以上 |