シャトー・ド・ムルソー | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年10月3日 | |||||||||||||||||||||||
<ピュリニーモンラッシェ シャンカネ> 明るく輝く黄金色。この色合いは飲む前からゾクゾクさせられる趣のある色である。エッジには透明感すらあり、中心部とのギャップも楽しい。温かみのあるアロマは、何かに似ている。温めたバター香だろうか。燻し香は奥底に見え隠れするほど微かだが、確かにある。味わいにもうっすらと麦わらを感じ、オイリーな飲みごこちと共に満ち足りた思いにしばし深けることが出来る。冷やして飲んでよし。秋の今ごろなら室温なら、なおよしである。 これは2001年8月蔵出しワインである。蔵出直後の完璧な保存状態を保ったワインは、なんとうまいことか。雑味は全くない。このワインを飲んでしまうと、保存状態のよくないワインは敬遠してしまう。劣化と熟成を混同させてはいけない。1998という3年前のワインには、シェリー香はないはずで、もしあれば高温劣化の可能性がある。コルク臭はグラスを軽く一回転させれば消える。せっかくのワインなのだから、いい状態で楽しみたい。日本では保存状態を確かめる方法はない。そのワインがいつ、どんな経路で日本まで辿り着いたか不明なためである。確かなワインをゲットするためには、確かなお店で買うか、店員さんとの情報収集に頼るしかない。もし市場価格より明らかに安い価格で取引されるときは注意が必要だ。ことワインについては安売りのイメージはよろしくない。単なる在庫一層セールならお買い得だが、ワインが痛んでしまったが為の安売りにはババヲつかまされそうである。完璧な輸送には費用がかかる。完璧な保管にも費用がかかる。ワインの場合は量より質を追求して、外れワインをつかまされた悔しさを出来るだけ回避したいものである。 今回のような優れたワインを飲むたびに、出会いに感謝し、おいしい夜をさらに堪能したいところである。 <シャトー・ド・ムルソー> ムルソーのシャトーとして伝統がある。AOC法によって自社畑を勝手に線引きされたことに憤りを覚えている節も見うけられる。今回のピュリニーは一級畑指定であるが、本拠地のムルソーは畑名ではリリースしていない。一級ジュヌブリエールと一級シャルムをそれぞれ造るのではなく、ムルソー一級として世に出しているからだ。ムルソーの畑を細分化されたが、シャトー・ド・ムルソーは変わらない。ムートンの一級昇格時の言葉にも似た思いがあるのかもしれない。 シャトーは観光客に開放されていて、入場料を払えば何時でも見学できる。ただムルソーにはシャトーらしき建物が多く、街の外れにあるこのシャトーは探し出すのは結構大変だったりする。ただ街のいたるところに看板があるので、素直に進めば辿り着けるとのことだ。ムルソーは坂が多いので体力があるうちに訪問したい。 以上 |