ジャイエ・ジル1 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年10月3日 | |||||||||||||||||||||||
<オート・コート・ド・ニュイ> 品の良い黒系のルビー色は若干濃い目であるが、まさにジャイエ・ジル色である。甘い土壌香がINAOグラスからもわんもわんと溢れてくる。髪の毛を焦がしたような香りと同席の女性が表現していたが、なるほど言い得ている。時間が落ち着くとモカ系コーヒー香が満たされ、ミルク香とあいまってまさにジャイエ・ジル節そのものである。このクラスにして上品な味わいと、もわんもわん系の焦がし香は、たとえは悪いがカブトムシを育てたくなるような趣である。一言で言えばうまい。この味を他のドメーヌで求めるならば、倍の価格であってもおかしくなかろう。さすがアンリ・ジャイエの血を彷彿とさせる男の造るワインは一味もふた味も違うからうれしい。 最近のセラー蔵出。 <ジャイエ・ジル> ドリンキングレポートでは、ACブルゴーニュの会主催のパーティで酉を取るワインとして身内では有名である。単独レポートが今までなかったのは不思議なくらいである。エシェゾーを筆頭ワインとするジャイエ・ジルはブルゴーニュ地方の場所指定ワインであるオート・コート・ド・ニュイとオート・コート・ド・ボーヌから割安で極上のワインを造っている。最大の特徴は今回のワインにもみられる焦がしたコーヒー香。 また白ワインでもその実力を発揮していて、アンリ・グージュから譲り受けたいわゆるアンリ・グージュ・ピノとシャルドネをブレンドして、ワイン好きの懐奥深くにしっかりと息吹くすばらしい白ワインを造っているという。いつか試してみたい。 <おまけ> オート・コート・ド・ニュイはコート・ド・ニュイの左側に広がるブルゴーニュ地方名ワインである。狭いようで広いブルゴーニュ地方のワインであり、村名格のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュとははっきり区別されるワインである。コート・ド・ニュイ・ヴィラージュはコート・ド・ニュイ地区にあって単独の村名アペラシオンを名乗れないか、単独で名乗るよりこちらの名で出したほうが通りが良いと思われるワインである。 オート・コート・ド・ニュイで断然お買い得は、このジェイエ・ジルとニュイ・サン・ジョルジュのレシノーだと個人的には思っていたりする。 以上 |