ジャイエ・ジル1 | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年10月14日 | |||||||||||||||||||||||
<コート・ド・ニュイ・ビラージュ> 紫のない赤系のルビー色。この色合いは最近のマイブームであり、とても魅力的な色合いである。最初のアロマはバナナの皮の内側の香り。時間の経過と共にジャイエジル節全開となってきた。コーヒーにチョコレートを混ぜたようなビターにして甘い香りがグラスに充満している。おいちい。全体的なバランスもよく余韻も長い。いい。やはりジャイエ・ジルはおいしい。1997年ビンテージにして最近蔵出されたワインであり、瓶詰め後の初期熟成の大切さを思い知るワインである。 一般消費者にとって手にしたワインがセラー蔵出直後のものか、否かの判断は難しい。エチケットが汚れていたりすれば、一目瞭然だがワインがどんなな経路でここに辿り着いたかを知ることは難しい。信頼すべきお店で、それ相応の価格で購入するしか手立てがない。情報しか頼るものがないからだ。 ワインを安く買う自慢をよく目にするが、安く買ったワインとそれ相応の経費をかけられたワインは、同じ銘柄の同じ生産者の同じビンテージにして全く違う中身になっていることは案外多い。一円でも安く買うのも一興ではある。されどワインを至福の時に誘う道具と考えるならば、僅かなお金をケチらずに、素敵な夜を楽しみたい。ワインがその値段で売られているのには訳がある。一円でも安く買いたいのはごもっともな意見であるが、少しばかりコストをかけたワインを楽しむのも悪くない。たとえばそれが、2年の熟成を待つためだとしたらきっと肯けるはずだ。高値で売る店とコストをかけた店の見分けは難しい。ワインが人によって流通する事実を考えれば、やはりその人を信じて買うしかない。ワインを飲めばそのワインがどちらの部類のワインかはきっと分かるはずである。ワインは結構正直者だったりするから怖い。 <おまけ> コート・ド・ニュイ・ヴィラージュはコート・ド・ニュイ地区にあって単独の村名アペラシオンを名乗れないか、単独で名乗るよりこちらの名で出したほうが通りが良いと思われるワインである。畑はフィサンを含む周辺とニュイサンジョルジュを含まない周辺にある。つまりコートドニュイの単独村名アペラシオンを挟む格好である。ジャイエ・ジルの本拠地がニュイ・サン・ジョルジュ村にあることを考えると、この村周辺から造られていると想像するほうが自然である。いわゆる地元のワインということになる。 一方オート・コート・ド・ニュイはコート・ド・ニュイの左側に広がるブルゴーニュ地方名ワインである。狭いようで広いブルゴーニュ地方のワインであり、村名格のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュとははっきり区別されるワインである。両者は村名格とブルゴーニュ地方ワインの場所指定であり、法律上の差は歴然としている。個人的には両方好みだったりするが・・・。 以上 |