ジャン・ノエル・ガニャール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年10月28日 | |||||||||||||||||||||||
<シャサーニュ・モンラシェ レ・カイユレ> 品のいい薄めの金色が、きらきら輝いている。やや冷やし目の温度のため果実の皮の味が表に出ているが、しばらくこのままにして自然に温度が上がるのを待ってみよう。しばらくして口に含むと、つばがどぼとぼ出てきた。いいぞ。しかし、ややまとわりつくような甘味が前面に出てきて、しっくりこない。クリーミーではあるものの、ふわふわした、地に足がついていない印象を受ける。んん。これがガニャールか。前評判は高いものの、バランスが悪くやや残念かな。 と、不謹慎なことを考えていると、がらりと変わってきた。当初はコンビニのショートケーキを無我夢中でバクつくようなメレンゲ系の安っぽい味わいだったが、ところがどっこい。カラメル香が加わって一気に高級ケーキの香りにランクアップしている。この極上の甘味はうれしい。 うまい。このうまさは万人受けするパワーがある。時間が経過すけばするほど甘味に品とコクが加わり充実感が満ちてくる。さすがシャサーニュの女性勇者である。今飲んでおいしいが、あと2-5年もすれば一気にその実力を開花させてくるのだろう。辛口ワインの味わいにしてアロマが甘く語りかけてくる。一見アンバランスかと思いつつ、なぜかほのぼの落ち着くから不思議である。こんな白ワインもあるんだなと思うと、今宵の出会いにも感激して止まない。急な来客があった夜、こんなシャサーニュでおもてなしできれば、ちょっと幸せである。いや。かなり幸せである。 Je suis très content de boire ce vin. Je voudrai vous invite avec ce vin . <ジャン・ノエル・ガニャール> シャサーニュ・モンラッシェを代表する造り手の一人。看板ワインは特級バタール・モンラシェであるが、コメンテータの評価も高くなかなか手が出ないのが実情である。このレ・カイユレは一級ワインの中でも筆頭格という。なるほどその実力を知るとうれしくなる。 シャサーニュ・モンラッシェ村にはガニャール一族が多く、いろいろ間違えそうだが、一説によればこのジャン・ノエル・ガニャール以外は・・・という。ジャン・ノエル・ガニャールに出会えたらまずは買っておきたい。ちなみにNoëlノエルはフランス語でクリスマスの意味もある。聖なる夜に飲むのも悪くない。 以上 |