マトロ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年11月6日など | |||||||||||||||||||||||
2002/02/15追加は文末に <ムルソー・ブラニー1級> 抜栓後すぐにINAOグラスへ。やや緑がかった透明感のある金色。レモン風味に穀物系のうまみがいい感じである。酸味もしっかりし、辛味を感じる重みのある味わいである。燻し香はない。ただ小さくまとまっている節も見受けられ、ほどほどのいいワインという印象を受ける。さほど油脂分を感じないため純粋なムルソーとも違うし、ピュリニー的な要素はあまりない。ただムルソー・ブラニーという珍しい白ワインというカテゴリーで語るには、忍びない思いもする。いいワインだからである。冷やしすぎると苦味を感じるので、晩秋の室温がちょうどよさそうである。 <アペラシオン> ムルソーとブラニーという二つのアペラシオンが表記されているが、今回のワインはACムルソー1級である。畑はブラニー村にあり、この村で赤を造ると独立したアペラシオンのブラニーを名乗ることができるが、白を造った場合はムルソー・ブラニーまたはピュリニー・モンラッシェを名乗ることができる。ブラニーが赤ワインのAOCだからである。ムルソーは北側で赤のACであるヴォルネイと接していて、白を造ればムルソーだが、赤を造るとヴォルネイ・サントノを名乗ったりする。北と南の境目がややこしいAOCである。そんな曖昧さが、特級がない理由の一つに数えらそうである。但しムルソーにはこの星を代表するコシュ・デュリとコント・ラフォンがいるのに、何故一級ペリエールは特級に昇格しないのかという疑問も同時に沸くから不思議である。 ムルソー・ブラニーは珍しい白ワインの部類に入るし、赤のブラニーはルフレーブを始めとする優れた造り手がワインを造ることで知られている。通好みのワインである。 <2002/02/15再試飲> 蛍光灯・抜栓後すぐINAOへ。液温14℃。薄く黄色みがかった透明感。前回あった緑色は見受けられない。ミネラル分が心地よく、下司な言い方が許されるなら、かっぱえびせん的な塩加減である。やめられないとまらない・・・。クラシックな造りのため派手さはないが、上品な印象を受け、ピュリニー・モンラッシェのような端正さも見受けられる。控えめなナッツにショートケーキのあの甘いアロマが加わってくる。時間と共に甘味を増してくる味わいは、前回のときと比べ格段においしくなっており、ただの珍しいワインというカテゴリーで語るには、もったいない。前回の試飲から四ヶ月経過し、違う一面を見せてくれた。この味わいは最近はやりのムルソーとは全く趣を変えているが、昔のムルソーを知る人には、たまらない逸品という。昔を良く知る先輩とご一緒させていただくと、ワインの見方も変わってくるから不思議である。 以上 |