シュロス・ヨハニスベルガー | ||||||||||||||||||||||
試飲日 2000年10月9日 | ||||||||||||||||||||||
<味の印象> 生きてて、良かった。やはりドイツの極上甘口ワインはうまかった。黄金の液体は充分なとろみ感を携えて身体に染み込んできた。ただ甘いだけではない。ただフルーティなだけではない。しっかりした酸味が甘味に映え、きりりと引き締まった味わいは無上の清々しさを醸し出している。この甘い液体と共に過ごす食後のひと時。幸せとは何か、その答えのひとつに「シュロス・ヨハニスベルガーのアイスヴァインを素敵な人と味わう瞬間」を確信するところである。最も有意義な時間の過ごし方のひとつ。完璧。 <補足> シュロス・ヨハニスベルガーは名門である。800年もの長い歴史を持ちかつてナポレオンやオーストリア皇帝フランツT世が所有したことでも有名である。貴腐葡萄や遅摘みが発見されたのもこの醸造所である。ちなみにシュロスとはフランスのシャトーのこと。葡萄畑は約35haあり、100%貴賓種のリースリングである。 <おまけ> 今回のアイスヴァインの直前にはアルザスのジョス・メイエー社のゲヴァルツトラミネール セレクション1995 (Gewuerztlaminar Selection, Josmayer)を堪能した。同じ極甘口ワインであるが葡萄品種の違いが味わい(特に香)にでていて興味深い経験だった。ただちょっと飲み過ぎてしまい詳細なコメントは次回ということで。甘党としては非常にうれしいひと時だった。 <おまけ=ドイツワイン> ドイツは世界有数の銘醸ワインを造りだす。特に甘口ワインに関してはトロッケンベーレンアウスレーゼが世界三大貴腐ワインに数えられるほどの実力である。フランス党にとってドイツは難しいが、ポイントはひとつ。それは二大銘醸産地を押さえること。つまりこのラインガウとモーゼル・ザール・ルーヴァーである。畑の所有形態にも両者は特徴がある。前者がボルドーと同様単独所有であり、後者はブルゴーニュのような複数所有である。ドイツは難しいので超簡単にその二大産地の造り手をおさらいしてみよう。 ☆ラインガウ☆ (葡萄品種=ラインガウリースリング) Steinberger (シュタインベルガー)・・・・・・・・ヘッセン州営エルトヴィレ醸造所 Schloss Johannisberger (シュロス・ヨハニスベルガー)・・メッテルニヒ公爵家所有 Schloss Vollrads (シュロス・フォルラーツ) ・・・・グライフェンクラウ伯爵家所有 ☆モーゼル・ザール・ルーヴァー☆ (葡萄品種=イエローリースリング) Bernkasteler Doctor (ベルンカストラー・ドクトール)・・・ターニッシュ博士家所有 Scharzhofberger (シャルツホフベルガー)・・・・・・・・エゴン・ミューラー家所有 ドイツ語は読みにくい上に長いので、息継ぎが出来なくて苦しいぞ。 以上 |