パトリック・ジャヴィリエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年11月28日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐINAOグラスへ。透明に輝く金色。すいっとするアロマにはバニラを感じ、爽やかなムルソーである。味わいには軽い苦味を感じるものの、フレッシュさが前面に出ていて食事に合わせやすい印象を受ける。この村特有のむるむるしたパター香や燻したヘーゼルナッツはなく、ムルソーを隠したままサービスしても、誰もムルソーだとは思わないかもしれない。雑味がなく、豊かな果実。アルコール感を感じる飲み応え。このワインのほとんどがフランス国内のレストランで消費されているという情報がある。この味わいを国外に出したくない思いか、単にむるむるした派手さが無いためか。質実剛健的なムルソーもまた、ムルソーの一つの形なのだと思うと、やっぱりうれしくなったりする。 畑はナルボーの北側にある。 <パトリック・ジャビリエ> ロバートパーカー曰く、貧乏人のためのコシュデュリーという(厳正評価世界のワインより)。かなり毒がある表現ではあるが、パーカー自身は誉め言葉として使用している。今回のワインを試飲した限りでは、ムルソーは想像できても、このワインの延長線上にコシュデュリーはなかった。それはパーカーが試飲するスペシャルキュベMise spécialeとは今回のキュベが違うためだろうか。不明なままである。そして価格にしても、貧乏人のと指定するにはやや高額かも知れない。フランス国内価格といえば合点が行くが・・・。 パトリック・ジャビリエを世界の桧舞台に挙げない要因は畑にある。筆頭が村名畑指定のナルボーだからである。このナルボー自体はパーカー自身GREATEST WHITE WINESにランクインさせるほど入れこんでいて、紙面も相当さいている。しかしムルソーを代表させるには一級畑が欲しいところである。ムルソーの二人の巨人の前には、パトリック・ジャビリエをしても、彼らの背中を視野に入れるのは途方も無く困難である。コシュ・デュリーとコント・ラフォンは違う尺度で見なければ、他の造り手がうかばれなさ過ぎる。 ジャンビエのナルボーもいつか飲んでみたいワインの一つである。 以上 |