メオ・カミュゼ
試飲日 2001年12月4日
場 所    都内某所       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine Méo-Camuzet (Vosne-Romanée)      
Vintage 1998
テーマ ひさしぶり
ワイン Nuits St Georges 1er Cru Aux Murgers
 
<味わい>
 抜栓してすぐINAOグラスへ。肌寒い外気に比べ暖房の効いた某所はタートルネックのセーターにはやや暑いかなと思わせる温度。
 ムラサキ含みの黒系のルビー色。ニュイサンジョルジュにしては鮮やかな色合いである。甘いアロマの陰に隠れてはいるものの、しっかりと湿った土壌香も感じられ、この土地から育つ農作物は高価格で取引されるだろうと、勝手な想像が膨らむ肥沃な味わいである。歯茎を乾かし、かつ濃縮な味わいにはしっかりとした構造があり、スーパーニュイサンジョルジュの名が示す通りのワインである。本来ならあと数年置きたいところではあるが、今飲んでも素敵な夜が楽しめる。まさに出会った時が飲み頃である。

 つづいてロブマイヤーに残りを入れる。おっとである。このグラスはシャンボール・ミュジニ用のため、一瞬使用もためらったが、入れてびっくりである。丸く表面張力を感じる瑞々しい果実味が口の中でコロコロ転がっている。果実味がぎゅっと凝縮された味わい。うまい。INAOとの違いが歴然としている。華やかで上品な味わいになっている。
 しかし時間が経つと表面張力がなくなり、あっという間にへたってしまった。INAOグラスのほうが持久力はある。大人数で瞬間を楽しむならロブマイヤーもいいが、ゆっくり味の変化を楽しむなら定番グラスがいいと思われる。これはひとえにグラスの大きさが影響しているのだろう。この不思議さもたまらない魅力の一つである。

 今回のオーミュルジュは1988年まで神の手を持つアンリ・ジャイエに貸していた畑であり、アンリジャイエは1981年という悲惨な年にして、この畑から偉大なワインを創り出したという伝説の畑である。最近のメオ・カミュゼ人気にも拍車がかかり、このワインも1万円を越える価格で取引されている。めったに味わえない貴重なワインに出会えたことに感謝である。そしていつかメオ・カミュゼに神の手が生えてくることを願ったりする。


以上


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