アラン・ロベール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月7日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> ロブマイヤ・バレリーナシリーズのシャンパングラスを使用。24時間前からじっくり冷やされた温度は、ギンギンの冷たさである。二度に分けてグラス8分目まで注がれたシャンパーニュは、極上の泡が二筋静かに登っていく。一本の筋が5つ登るたびに、隣はひとつの泡を出すペースである。いい。この細かい泡の為に、人は時に憎しみ合い、時に愛し合い、時に喜び合い、時に悲しむ。そんな喜怒哀楽がこの泡の向こうに見え隠れするから、なんだかとても詩的である。 燻し香をメインに、白ワインが熟成したときと同じあのミルフィーユ系のなんとも言い難いブーケである。これ以上の香りを私は知らない。私はコントラフォンの1986ペリエールのあの感激が鮮やかに蘇ってきたほどである。 シャンパンは喉で飲め。ごくごく飲むと幸せに包まれる。うまぁぁぁぁぁぁぁい。 上品な繊細な味わいにして18年の歳月を感じさせる深み。シャルドネのもう一つの完成された姿。コートドールとは全く違った格調高い優美である。シャルドネ種がピノ・ノワール種とリースリング種と並んで世界三大貴賓種と言われる実感を肌で感じる悦びは、もう夢心地である。 INAOグラスでも楽しむが、やはり野暮ったさが残り、すっきりとした味わいが消えてしまう。シャンパンはグラスが勝負である。そして「ちびりちびり」とやっていては決して味わえないパワーをグラスで表現したいところである。ただ哀しいことに、ロブマイヤに入れても良いシャンパンはそんなに多くなく、間違いなくグラスより高額である。そしてグラス自体もINAOグラスが相当買えるほどの価格なので、一個しか持てないところが庶民のなせる限界だったりする。そして使用後どうやって洗って良いか、ちょっとでも力を入れると割れてしまいそうな繊細さが、辛い。 アラン・ロベールの今回のシャンパンはキュベ・トラディショナルについで二番目のランクに当たる。宮中晩餐会の定番でもあり、年に一度でもいいので、この味わいを楽しめる立場と環境を作りたいものである。 以上 |