<味わい>
抜栓後すぐINAOへ。黒系果実味果実香。シックな色合いに反し、この甘い果実のアロマは熟したプラムを基調にしている。舌に残るしっかりした味わいには、荒々しさもあり、初心者向けでなく、通好みの味わいである。まさにポマールの味わい。余韻もしっかりあり、極上のポマールである。
ジャン・ガローデといえば、ポマールを代表する造り手ながら、味わいは赤系を基調とし、初めてのブルゴーニュの第1位に推薦したいところであるが、今回のノワゾンは全く違う路線を展開している。素直な驚きに包まれ、この手があったか舌鼓である。ウォッシュ・チーズとの相性も抜群で、何かを食べながら飲みたいところである。一家団欒の食卓にあって欲しいワインである。
ポマール・グラスで楽しむと、その味わいの形はこんな風である。
口の中に留まるポマールは、なんだか丸みを帯びつつ、ういろうのような形をしていたりする。不思議な感覚である。垂れたような丸みは、荒々しさとやさしさが融合しようとした結果のようでもある。どうもこの例えは伝わりにくい表現かもしれない。
このポマール・ノワゾンはジャン・ガローデの顔である。最近は都内でもあちこち見かけるようになっていて、うれしい限りである。特にモンテリーやオート・コート・ド・ボーヌあたりは豊かな果実味とやさしい味わいがとても印象的である。
以上