ドミニク・ローラン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月9日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐINAOへ。黒系のルビー色。微かに湿った土壌香を感じ、それを覆い隠すように樽香がある。口に含めば、樽の味が前面に出ていて、タンニンもしっかりしすぎるほどあり、かなり強い酒というイメージである。味わいはニュイ・サン・ジョルジュ的であり、ドミニクローランの特徴である新樽200%もこのクラスからやっているのかと素直な驚きに包まれる。大変良くできた赤ワインであり、このクラスの価格に対して、お買い得感も十二分にある。ドミニク・ローランを知る上でも大いに参考になる味である。 <余談> ドミニク・ローランは自社畑を持たないいわゆるネゴシアンであるが、卓越したエレヴァージュ・育成能力を持った新進気鋭の注目度ナンバーワンの男である。樽ワインを買いつけ新樽200%などの手法により、テロワールを表現している。そのあたりのくだりは、ヴィノテークVinothèque誌2001年4月号36ページに詳しいので割愛するとして、ドミニク・ローランは日本でも高値で取引される赤ワインの天才である。 今回のワインのランクはACブルゴーニュであり、地方名ワインである。ブルゴーニュ地方であれば、どこでも造れるワインに敢えてキュベNo.1と記した理由は何か。その理由は本拠地ニュイ・サン・ジョルジュの特徴を出していることで窺い知ることができる。余所者として扱われつづけながらも、成功するに至った場所。それがニュイ・サン・ジョルジュという本拠地。特別な思いで造っているのだろうと想像するのは難くない。畑の地理的状況によりニュイ・サン・ジョルジュが名乗れないものの、その思いをNo.1というメッセージと共に伝えているような気がしてならない。このことはACニュイ・サン・ジョルジュにもキュベNo.1があることからも想像できる。 ちなみに今回のワインは通常より二年遅れの蔵出ワインである。 以上 |