ミクルスキ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月24日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐリーデルのブルゴーニュグラスへ。このクラスにしてかなり大きなグラスであるが、クリスマスイブの夜にはこの位の大きさがうれしかったりする。明るく輝く薄い金色が基調で、やや重量感も感じ得る色合いでもある。ナッツとバターは奥に微かに香り、前面には柑橘系のアロマが充実している。口に含めば、程よい苦味と心地よい酸味を感じる。少量を舌に湿らせば、甘味すら感じる。獲れたての果実をそのままワインにしたような清涼感溢れるシャルドネである。 <VS 1999> 今月初旬と昨日経験した1999と比べれば、コクの差が顕著であり、水分を多く感じるが、基調の統一感は確かにあり、ミクルスキ節の予兆を感じることもできる。そして、今回のバージョンと初期熟成をミクルスキの蔵で経過した2000年とを比較してみたい。どのような差があるのか好奇心をくすぐられる。来年の今ごろ飲んでみたい。2000年ビンテージをこの一本で、しかもこのクラスで予想するのはできないが、ミクルスキが気になるドメーヌであるために、上のクラスの登場を待ちたいものである。 <不思議> 今月(12月)初旬、都内一円に広まったのは1999のミクルスキであったのに、なぜこの時期2000年のACブルゴーニュに出会えるのか全く不思議である。2000年ビンテージを飲むのも一瞬躊躇したが、出会ってしまったからにはまずは一献である。おそらくはプリムール中の初荷かとも思われる早さである。その味わいはまさにボジョレー・ムルソーとでも言いたくなるが、ボジョレーは地区名なので、正確にはブルゴーニュ・ヌーボー、またはプチ・ムルソー・ヌーボーと表現したくなる逸品である。何事も経験第一である。 <参考 1999> 奥ゆかしい重みを感じる金色。ナッツ香が感じられ、飲む前から期待が大きく膨らんでいく。口に含めば、唾がとぼとぼ溢れ出すうまみ。酸がたっぷりのっていて、甘い白い果物が熟したような、甘味が溢れ出す。インパクトが強い。豊かなムルソーを想像しつつ、大いなる感激に包まれる。時間と共にマーガリンにも似た軽いバター香も立ち込め、どんどん甘くなっていく。最後には焦がし香が、私の細胞を揺さぶってくる。うっっっ。とてもACブルゴーニュとは思えない。すばらしい。ボリューム感があり、かつきゅっとしまった印象が覚めやらない。酸がしっかりしているため食事と合わせやすく、例えば急な来客に、はじめてブルゴーニュを紹介するのにちょうどいい。この豊かさがブルゴーニュであり、この味に共感してくれるなら、格上のワインも共有したくなってくる。 以上 |