ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
試飲日 2001年12月26日
場 所    神奈川県某所       
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ産AOCワイン
生産者 Domaine de la Romanée Conti (Vosne-Romanée) 
Vintage 1998
テーマ 久しぶりのDRCはやっぱりすごい
ワイン RICHEBOURG
 
<味わい>
 室温よりやや低め。抜栓後すぐロブマイヤー・ミュジニーグラスへ。明るく輝く黒系ルビー色。この儚いほどの薄い色合いもこの村の特徴である。凝縮された花の香りが、とろとろに濃縮されているという印象を受ける。すごい。これぞ極上のリシュブールである。味わいはつくづく上品で、タンニンのえぐみさは全く感じない。およよと思うほどあっさりした飲み応えにして、するりと入るうまみである。あっさりしているのに、非常に強い味わいがあり、終ることのないうまみ成分に身を委ねていると、ほんわか、ほんわか、してくる。熟した黒系果実味が新鮮で、加えて黒糖やカラメルも感じられる。このリシュブールは細胞を整列させるのではなく、微妙に遺伝子の配列を狂わせる魔力がある。うますぎて言葉は不要である。口の中に満たしたままでいると、唾が倍以上溢れだし、それでいて決して薄まることのないエキスが驚きであると共にうれしい瞬間である。今年も大変おいしいワインに囲まれて、幸せであったと回想するには、ワインが偉大過ぎて、ボキャブラリーの少なさが手痛いところである。ラストは味覚糖のキャンディ香を贅沢にさせたような香りに包まれ、もういかんともしがたい感激に包まれる。


<DRCのリシュブール>
 この最高級ランクのワインになると、すでにテイスティングコメントなど不要の産物であるように思われる。うまくて当たり前だからである。本来ならば、食中にごくごく飲んで、「ああうまかった、このワインなんというの」と執事に質問してみたくなるワインである。幸か不幸か、その境遇の星の下には生まれなかったが、こうしてテーブルの末席を汚させていただく光栄に感謝するところである。DRCのリシュブールは決して安くないが、決して高すぎるとも思わせないから、経済感覚を麻痺させる、恐ろしい飲み物である。
 
 No.06765 / 12257


以上


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