ジャン・グリヴォー | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月26日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 室温よりやや低め。抜栓後すぐINAOグラスへ。コルクは真新しくリコルクされた直後かと推測される状態である。濃縮感のある黒系ルビー色は、グラス越しに向こうが見えないほどの濃さである。チョコレートと花の香りが埃っぽく立ち込め、すいっと立つ勢いがある。口に含めば、端正かつ正統派辛口の味わいである。シルキーな喉越しを通して、背筋に旋律が走り、何とも言いようのない緊張感に包まれる。うまい。時間と共に湿った土壌香に栗を焦がしたようなブーケも登場し、歯茎に染み渡るようなしっかりした渋みもいい意味で印象的である。うまみ成分も申し分なく、奥行きを感じる構造も楽しさを増す。後半はやや酸味が出てしまったが、極上のクロ・ド・ヴージョに感激の夜である。 色合いにムラサキ色はないが、どうやら低温浸漬の痕跡もみられる。ムラサキが消えるころの低温浸漬は、ひとつの確固たる味わいを表現するものだと実感するところである。これはクロード・デュガの1994シャルム・シャンベルタンで感じた奥深さと相通ずるものがある。 <ジャン・グリヴォー> ジャン・グリヴォはマスメディアでも多く取り上げられる著名なドメーヌであるが、今まではあまりご縁がなかった。リシュブールとこのクロ・ド・ヴージョが看板ワインである。未確認ながら最近のドメーヌ・セラー蔵出ワインである。 パーカーポイントは 93+ 以上 |