コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2001年12月26日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 外気温を利用しての空冷。室温よりやや低め。抜栓後すぐINAOグラスへ。深く趣のある金色。ナッツ香が奥深く、おいしいケーキ香(?)も加わって複雑なふくよかさが細胞をくすぐってくる。麦藁もある。口に含めば、深く、重く、そしてすうっと抜けていく感じ。しっかりした酸に支えられ、まだまだ熟成するであろう味わいである。冷やし気味のため若干の苦味も感じるが、細胞のしみ込むようなうまさには、唾も溢れ、思わず左目を軽くつむったまま、その余韻に浸ってしまうすばらしさである。ドミニク・ラフォンの熱い思いがダイレクトに伝わってくる。感謝である。 全体的な基調はラフォン節炸裂であるが、このACムルソーはクロ・ド・ラ・バールともただのACとも違う趣である。控え目なラフォン節である。おそらくこれ意外のラフォンを同時に開けた場合、その性格ゆえどうしても印象が薄らぐ可能性があり、この一本でしっかりした夜を楽しみたいものである。なおテイスティング・コメントの余白に、このワインの感想として「デジデジしている」、というのもあったが、書いてる本人にも意味不明なところがあり紹介するにとどめておこう。 <ムルソー・デジレ> アペラシオン的には村名ムルソーである。DÉSIRÉEという畑はどの文献にも見当たらないので、畑の名ではないようである。クラウン仏和辞典(SANSEIDO)にはその単語の解説はないが、類推される言葉としてdésirまたはdésireux(se)がある。前者は男性名詞で欲望、後者は形容詞でde +不定詞を伴い、望むという意味である。DÉSIRÉEの最後のEは女性名詞を受けての語尾変化と推定される。一方シニア英和辞典(旺文社)によれば、DESIREは名詞で願望を意味している。したがってラフォンの欲望をワインに込めた逸品ではなかろうか。これはあくまでも推定のため、今後調査したいところである。 Clos de la Barreという畑名ワインと一般的なACムルソーとこのデジレ。極上のムルソーというカテゴリーの中で三者三様の楽しみがコント・ラフォンにはある。感激である。 手元の文献には見当たらないが、畑名である旨の有力情報を入手(2003/01/25記) 以上 |