ジャン・フィリップ・マルシャン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月01日 | |||||||||||||||||||||||
<はじめに> さあ2002年である。ヨーロッパでは統一通貨ユーロがスタートした。新年に飾るのにふさわしいワインとして上記のワインを選んでみた。いろいろな意味で今年はいろいろありそうである。激動の年にして、今年をグレート・ビンテージにするために、敢えてこのワインを選んだのだ。このワインがこれからの先行きを照らす灯台の明りになってくれれば、幸いである。 <味わい> 室温にて。抜栓後すぐINAOへ。黒系果実のやさしい色合いが、白熱灯の灯を浴びて静かに光っている。若干冷たいため香りはたっていない。口に含めば、新鮮な黒系果実をお酒にしたようなフレッシュ感と、熟し気味の果実がバランスよく混ざり合ったような味わいである。すっきりおいしく、とてもチャーミングな味である。何か塩ッ気のあるような、たとえばカマンベールチーズなどと一緒に食せば、やさしい渋味が食卓を彩ってくれることだろう。時間と共にようやく香物的な香りが現われてきた。そして黒系果実の皮を漬け込んだような、そんな香りと味わいが出てきて、ピノ・ノワールの一つの形を表わしていた。 <さあ> さあ、今年もワインの旅が始まった。どんな世界が待っていてくれるのか、楽しみは尽きない。このワインから今年はスタートします。小沢征爾指揮・ウィーンフィル交響楽団の、ニューイヤーコンサートを聴きながらこのワインを飲んでいると、ワインの役不足は痛感するものの、新年の始まりに心が高ぶってくるから不思議である。 以上 |