ドメーヌ・ルロワ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月02日 | |||||||||||||||||||||||
<飲み方> ワインクーラーに入れて、しばし冷やす。瓶が冷たいと思えるほど冷えたところで、ほっそり型のデカンタに静かに流し込む。蓋をして待つこと20分。室温まであがったころかと思われる時間を意識してINAOグラスへ。 理由 @ボトルの温度が意外に高く、この一本で2時間近く持ちこたえるためには、温度を下げることが必要だった。Aやや冷やしすぎたため、温度を上げるにはボトルのままでは時間がかかりそうだった。Bセラーにしまいこんでいたために、サランラップにエチケットがこびりつき、エチケット無しの間抜けな姿になってしまった。C冷やしてデカンタすることで、酸化の進み具合を抑制し、かつ飲む瞬間からおいしくさせたかった。D正月の演出も必要かなと思ったりした。デカンタはそれ自体が、なにやら高級感を演出してくれる。E若干の澱もあった、などである。 <味わい> 赤系果実味がじっくり熟したような茶色見がかった上品なルビー色。いい。この優雅な色合いもまたワインの楽しみである。アロマには、これまた熟した果実味があり、焦がした感じもある。土壌香や動物香はなく、うれうれに熟した黒い果実を思わせる。時間と共に、あるいは温度と共に油脂分を感じ、とろとろな味わいに感激である。口に含めばしっかりした奥行きと、味と相通ずる果実に頬も緩むというものである。冷やし気味の温度のため、全くへたることを知らず、いつまで優雅な味わいを保ちつづけている。こま充実感としっかり心に届く余韻は偉大である。 <ルロワのサビニー・レ・ボーヌ> これはサビニー・レ・ポーヌにあらず、ルロワ節絶好調にして、感激の一杯である。ドメーヌ・ルロワは通常2万円では全く手が届かないが、このサビニーはルロワを体験するには最もお買い得にして、誰もが楽しめる奥深い味わいをもっている。 通常、このアペラシオンは地味な存在で、都内のセール品の対象ともなれば、880円程度で扱われてしまったりする。モーリス・エカールやシモン・ビーズなども高い評価を得ているが、このアペラシオンの断然トップの造り手は、このドメーヌ・ルロワである。セール品を1ケース購入しても全く買えない高値の理由は、この味が証明している。それでもドメーヌもののルロワにして最もお買い得なのが、このサビニー・レ・ボーヌであるところが奥ゆかしい。そして某百貨店の外商部によって、ほとんどのワインが店頭に並ぶことなく、得意先のセラーに収まってしまうところが哀しかったりする。店頭で見かけることがあれば、一本はキープしたい名品である。 No.824 / 2045 ちなみにこのサビニーは97年ビンテージも堪能したことがあるが、そのときもエチケットが剥がれ、裏の説明書きだけが残るという寂しさを味わった。非常に優れたワインなのに、剥がれやすいエチケットはコレクション泣かせである。やはり出会ったときが飲み頃なのだろう。 以上 |