アラン・ロベール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月04日など | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 明るく輝く薄い金色。これがシャンパーニュ界最高級の色合いなのかと、しげしげと見つめることしばし。木目細かい泡がシャンパングラスに舞い上がっている。香りにはムルソーを思わせる燻し香、バター香などが優雅に立ち込め、時間と共にカラメル香も身体をくすぐってくる。口に含めば、すっきり軽い。この軽さは爽快である。軽いのに深い味わいと長い余韻。このアンバランスさに思わず絶句する。これぞシャンパーニュの極意であり、このすいっと入る飲みごこちは、一種の麻薬である。幽体離脱しかねない夢心地に、一本まるまる飲み干したい欲望に駆られる。シャルドネ100%のブラン・ド・ブランにして、シャルドネのもう一つの成功をこのシャンパーニュで実感するところである。 エチケットにNon Pareil (比類ない)と謳い、Fleur de Mesnil (メニルの花)と飾る。その名にふさわしい偉大なシャンパーニュである。 <アラン・ロベール> 別冊料理王国「ワイン王国」No.13 Winter 2002において、筆者のマイケル・エドワーズ氏は、このアランロベールを筆頭シャンパーニュとして紹介している。貴族的なシャルドネとして、シャンパーニュのブルゴーニュ化の記事の中で大絶賛している。シャンパーニュのブルゴーニュ化とは何か。それはつまり、単一村畑とドメーヌ(シャンパーニュでは、RM・レコルタン・マニュピュラン)の躍進によって、従来のグラン・メゾン(NM・ネゴシアン・マニュピュラン)製の地位が揺らぎつつあるということである。品質の均一化に逆らって、個性を求め出す動きは大歓迎であるが、こだわりが大きいほど高値になる傾向があるので、消費者には痛し痒しだったりする。寒冷地シャンパーニュにおいて、ブルゴーニュ化の動きは最新技術の導入と、資金力のバックアップがあってこそと想像されるが、詳しくは、アランロベールのホームページを見て勉強することにしよう。(と思ったら、工事中だった)。 以上 |