アンリ・ペロ・ミノ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月02日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐINAOへ。室温。香が立っていないため、デカンタしてしばらく待つことにした。再度INAOへ。黒系果実が熟成しつつある色合いである。甘くやさしい香は、熟した果実を連想し、滑らかな味わいは、シャルム・シャンベルタンの貴賓を携えている。 しかしである。ペロちゃん節炸裂というか、構造的な奥深さやパワフルさがない。薄さを感じてしまい、シャンベルタンの特級でしかも1993というビンテージを考えれば、やや拍子抜けの念をぬぐえなかったりする。決して痛んだワインではない。おいしいコート・ド・ニュイのピノ・ノワールには違いないが、先輩某氏にして「品のいいほうじ茶」をシャンベルタンの特級には求めていない発言が、説得力を持っているから納得である。 ただしこの夜は相当数のワインを飲んでいたために、正確な記憶はあまり無く、やさしさだけが心に残っている。公正を期すためにも素面のときにもう一度試してみたい1本である。なぜだかわがセラーに1本あるので、そんな夜は意外に早くやってくるかもしれない。 このシャルム・シャンベルタンは2年ほど前に10本程度試飲したワインと同一キュベであり、時の変遷に興味深い一本であった。当時はチョコレート香がやさしく、シャルムの女性的な印象が今も心に残るが、その基調は2年の歳月を得て、さらにやさくしなった感がある。結論としては、強烈なシャンベルタンを思い描いて開けると、あまりのやさしさに拍子抜けしてしまうので、やさしいシャルムな夜に開けるほうがいいと思われる。 <想定される原因> 直前に飲んだグロ・フレール・エ・スールのリシュブール1996の濃さに、この繊細なシャルムは影を潜めざるを得なかった。ワインは順番を間違えると、せっかくのワインの実力を引き出せなかったりする。 結論を先延ばすため、☆になっておこうかな。 以上 |