ミッシェル・グロ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月15日 | |||||||||||||||||||||||
<はじめに> ミッシェル・グロのヴォーヌ・ロマネ・クロ・デ・レア1998は今回で3回目の試飲である。前回からほぼ一年を経過した後、ワインがどのように熟成したのか興味深いところである。 <味わい 三回目 2002/1/15 > 抜栓後すぐINAOグラスへ。液温22℃。濃い黒系のルビー色。色の薄さが特徴のこの村にしてはかなりの濃さである。熟れた黒系果実にスパイス香が加わり、樽香も感じられる。全体的には生っぽい動物香があり、箱根仙石原の某肉店のベーコンに似た香りである。これは旧樽を使用すると出やすいアロマという。口に含めば媚びない甘さが印象的である。しっかりとした構造を持ち、上品なタンニンが滑らかな味わいにスパイスを利かせている。時間とともに動物香はロースト香に変化し、花も加わり一面のスミレを想像させる。怪しげな基調も持ち合わせ、なんとも上品にして存在感を示してくるヴォーヌ・ロマネである。 <味わい 一回目 2001/2/25 > ボトルからそのまま試飲。黒系のルビー色をともなった果実味。やや青臭さを感じ、茹でたソーセージの皮をプチっと割った時と同じ香がする。しっかりした味わいはさすがはヴォーヌ・ロマネの一級である。しかしなにかインパクトに欠け、複雑味も感じられない。年末の1995ビンテージのあの悦びをひきずってしまい、なんだかもの足りなさを感じざるを得なかった。それでも空になったINAOグラスは焦した甘い香に包まれていて、このワインが並みのワインでないことは証明していた。 <味わい 二回目 2001/2/28 > 今回はほっそり型のテガンタに移し替えて待つこと2時間30分。飲み方の圧倒的な差はブルゴーニュを知り尽くす美人講師の判断によるものだ。その結果はINAOグラスの中でワインが自然に語りかけてきた。すごい。これはうまい。ううう、である。全く別物のワインだ。色合いも黒系を基調としながらもやや明るい。これは照明の違いからくるものだ。青臭さは今回の飲み方でも表面化してきたが、今回の青臭さはメロン系の趣である。下衆な言い方が許されるなら、その昔粉末シャーベットを水で溶かして、完全に凍るまで待つことができず、水っぽいシャーベットを頬ばったときのあのメロン味に似ている。甘くもあり、メロンの皮についた果肉のような香も彷彿とさせた。微妙な味わいは繊細で、それでいてしっかりとした存在感を示す。余韻も長くうまみ成分がしばらくは口周辺を漂ってくれている。なめし皮も感じられ、しばしうっとりである。 以上 |