コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月23日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐINAOへ。冷たさを感じさせないテイスティング温度。深みのある輝く黄金色。樽からくると思われるバニラ香が甘味を感じさせ、上品なバター香と、気持ち燻し気味のへーゼルナッツが豊かに薫っている。果実の濃縮感が心地よく、しかし柑橘を感じさせない味わいは、これぞムルソーと唸りたくなる。華やかなインパクトではなく、質実剛健的なしっかりとした趣である。口に含めば、うまみ成分の塊。舌の上にほんの一滴湿らせただけで唾がみるみる溢れ出す。ぽっと幸せモードである。酸味がやや弱いかと思われるが、そのためか重さも強調されてくる。抜栓直後は閉じ気味だった印象も20分ほど経過してからは、コント・ラフォン節の大合唱が始まる。リーデル社のソムリエシリーズ・リースリング・グランクリュ400/15で味わえば、よりいっそう深みが心地よく、金塊を食べれば、こんな味がしてくるのかと意味不明の感想をもらしたりする。ふくよかな上品さが長い余韻に重なって、ぐいぐい心に迫ってくる味わいである。 <畑> ムルソー・シャルムはペリエール、ジュヌブリエールと並びこの村の代表格である。格付けは1級。コント・ラフォンのシャルムはピュリニー・モンラッシェ村とペリエールに接する場所にあり、ムルソーの最南端である。1.71haほどあり「コ」の字型をしている。(参考:ヴィノテーク1999 12月号より) <余談> ラフォンのムルソー・シャルムは初体験であり、緊張の面持ちで試飲に望んだが、ペリエールのような華やかさではなく、極上白ワインの中においては、地味な分類に入りそうな存在感であった。ワインの潜在的能力は途方もなく上位に位置するが、一般受けするかどうかは解りかねたりする。コシュ・デュリーの華やかなボリューム感の方が万人受けしやすいと思われるからである。また1998ビンテージは酸の関係からか質実な印象を受けるため、長熟タイプではなく既に飲み頃を迎えているようにも思われる。そして会場を静めさせるほどの圧倒的な存在感がなかったところが1998の唯一の寂しさだったりする。そして今年の福袋に入っていた1997との違いに大いに興味も沸くところである。いつ飲むべきか、楽しみは尽きなかったりする。1998の記憶が鮮明なうちに堪能したいものである。 以上 |