カルバドス
試飲日 2002年01月26日など
場 所    神奈川県某所     
照 明 蛍光灯
種 類 フランス カルバドス地方AOCオードヴィ
生産者 Adrien Camus (La Lande-St-Leger)
Vintage 45/50 ans d'âge
テーマ りんごの魔力
ワイン Calvados du Pays d'Ange 45/50 ans

<味わい>
 抜栓後デカンタしてしばらく待ってからINAOグラスへ。樽のエキスが十二分に染み込んだと思えるほどの濃い褐色が、静かに輝いている。デカンタしてもなお、きついアルコールが突きあがってはいるが、香りの中心部には熟したりんごの蜜のアロマが悠然と香っている。口に含めばアルコール度数43℃が刺激的ではあるが、ことのほか滑らかなため油断しているとグビグビ飲み干してしまいそうな危険なやさしさがある。リーデル・ソムリエシリーズのコニャックVSPO(400/71)で味わうと、INAOで感じたアルコール臭はまったくなく、滑らかな熟熟に熟した極上のりんごが完璧にお酒に変化した味わいである。この蒸留酒は偉大である。フランス語で「EAU de VIE 命の水」と呼ばれるだけあってその魂は細胞の奥深くまで届くのであった。素敵な夕食を締めくくる酒として不動の存在感がある。感謝である。アルコール感をなくすためには抜栓後数ヶ月置くか、デカンタするか、グラスのマジックに身を委ねるか、どうやって一日を締めくくるかを考えるのもまた一興である。
 写真は都合により18年ものを記載した。


<カルバドス・デュ・ペイダンジュ>
 フランスの北西部・ノルマンディに位置するAOCである。ワインと同じAOCの統制を受ける蒸留酒は、コニャック、アルマニャックとこのカルバドスである。コニャック、アルマニャックはユニ・ブラン(別名サンテミリオン)という葡萄から造られるのに対し、カルバドスはりんごを醸造し、さらに蒸留して造られている。カルバドスの最大の特徴はりんごから造られている事であり、世界三大蒸留酒の名声を得ていることである。
 今回のペイダンジュはカルバドスの二つあるアペラシオンのひとつであり、樽熟期が45年ものと50年もの等をブレンドして造られている。自宅に6年ものもキープしているが、樽熟の差が歴然としていて、まったく違うお酒のようである。値段が圧倒的に違うため、やむを得ないが。。。


以上
 


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