ユベール・リニエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年01月31日 | |||||||||||||||||||||||
2002/02/15追加版はこの文章のお終いに紹介しています。 <味わい> 抜栓後すぐINAOグラスへ。輝きのある黒系果実の色合い。マロン系を遠くに偲ばせる硫黄の甘さと鉄っぽい香りが入り混じり、野生のさくらんぼが見え隠れしている。口に含めば、さらりとした飲み口で、新鮮な果実が印象的である。ガメイからくると思われる酸味も程よく、何かを食べながらごくごく飲みたいおいしいワインである。時間と共にまろやかな味わいも出してきつつ、イチゴを焦がしたような甘い果実香が鼻をくすぐってくる。1700円でこの味が楽しめるのだから、このクラスも無視できない。否、このクラスをここまでおいしくする醸造技術と、食中酒であるワインという本来の目的が達せられていて、こういうワインに出会うと、妙にうれしくなる。 1999年のユベール・リニエの全体像をこのパストゥグランから推測することはできないが、この味の悦びに包まれつつ、上のクラスもぜひ楽しみたいところである。モレサンドニの勇者はこのクラスでも大いなる実力を見せ付けてくれている。 ブルゴーニュ・パストゥーグランはガメイ種とピノノワール種をブレンドして造られている。AOC法上ピノノワールは1/3以上含まれていなければならないが、造り手によってはほとんどピノノワールというワインもある。ランクはブルゴーニュワインの下位に位置する。最近は都内でも一流の造り手のパストゥグランが店頭に並べられる機会も多くなり、うれしい限りである。ドニ・モルテやグロフィエなど都内某所にはまだあるのだろうか。価格も比較的お手ごろで、2000円を超えることもなく(アンリジャイエを除く)、一流の造り手を知る絶好の機会でもある。 <2002/02/15追加版> 蛍光灯の下で抜栓後すぐINAOグラスへ。液温17℃。黒ムラサキ色が深く、透明感のない重い質感のある色合い。青っぽいアロマが支配的で、野イチゴ系の野性味がまさにガメイである。飲み心地にはなめらかさも感じられ、Boursaultという牛乳にクリームを添加して作られるソフトなチーズにぴったし合う。すっきりした味わいは食事に合わせて良く、気軽に楽しめる逸品には違いない。しかし、前回感じた焦がし香などはなく、ボリューム感はあまり感じなかった。ピノ・ノワール系の味わいが影を潜めているからだろう。ボトルによってピノノワールとガメイの比率が違ったりするのだろうか。不思議な感覚ではあるが、このクラスにボトルバリエーションの話は似つかわしくないので、もっと気楽に楽しむべきなのだろう。いずれにしろ、気軽なおいしいワインには違いない。 以上 |