フィリップ・ルクレール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年02月10日 | |||||||||||||||||||||||
<1996 シャンボール・ミュジニ バビリヤール> 若干冷やして抜栓後INAOグラスへ。液温19℃。レンガ色が出はじめた茶系の深い黒系ルビー色。香りも味わいも温度のために沈みがち。口に含めばリキュールを思わせる。ちゅうどメゾンルロワの村名クラスが、20年くらい経ったときのあのリキュールっぽさである。クラシックな味わいは果実味を押さえ、野性的であり筋肉質でもある。このワインは温度が上がってくると本領を発揮してくる。松やに系のエキスが煙っぽく漂い、タンニンの渋みと果実の酸味を堪能できるからだ。ボディ感こそないが、甘くない正統的辛口ワインである。ラストはきれいにコーヒー香が香りを支配し、とてもいいワインを飲んだという充実感に包まれる。さらに時間が経つと血を思わせる金っ気がやや印象を悪くする。 個人的には今がまさに飲み頃の絶頂期で、デカンタしていきなり美味しいところから始められるクラシックなシャンボール・ミュジニかと思われる。この村の特徴である繊細さとは、やや趣が違うかなと思わないでもないが、ジュブレ・シャンベルタンの野人が造るシャンボールもまた一興である。ただ個人的な嗜好からすると、果実味を感じるほうが好みなので、積極的に飲みたいワインではない。ただ、このワインは個性的な壜に特徴的なエチケットが用意されているので、インパクトの強さは抜きん出ている。クラシックな味の代表としても手元に一本あるといろいろ楽しめそうである。 また、このドメーヌはジュブレ・シャンベルタン村の観光案内所の隣に事務所がある。アポなしで試飲もできるので、もう一度行ってみたいドメーヌでもある。 以上 |