ユベール・リニエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年02月10日 | |||||||||||||||||||||||
<1996 シャンボール> 若干冷やして抜栓後INAOグラスへ。液温18℃。赤っぽさを持つ黒系のルビー色が濃い目に輝いている。この温度では香りは弱く、黒系果実がかなり沈みがちである。ここはしばらく置いて、自然に温度が上がるのを待ちたいところである。グラスに入れてから20分近く経った頃からこのワインの本領が発揮されてくる。そのとき調度22℃。口に含めばまだひんやり感を感じる温度である。熟れ始めた黒系果実香にロースト香が加わって、リニエ節が快調である。この媚びない甘味が大好物である。余分な甘さを持たず、端正でしっかりとしたボディ感は、つくづく上品で、ワインとしての実力は村名クラスを超えている。歯茎に染み込むタンニンもきれいな黒系果実に包まれて、シャンボールというよりは、リニエの本拠地モレ・サン・ドニ系のエレガントさである。この媚びない甘さをデュガに教えてあげたいとこぼしたら、大きなお世話だと各方面から横槍を入れられてしまった。 ユベール・リニエはすばらしい。いつ飲んでも、どのアペラシオンでも、どのビンテージでも常に高品質である。1996という偉大な年も非の打ち所がなく、村名クラスにしてはやや高めの価格設定も納得せざるを得ないところが懐に厳しかったりする。 2002年1月 セラー蔵出し パーカーズポイント 87-89 スティーブンタンザ 89 以上 |