ジャイエ・ジル
試飲日 2002年02月10日
場 所    神奈川県某所  
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOCワイン
生産者 Jayer-GILLES (Magny-Les-Villers)
Vintage 1996
テーマ イメージ通り
ワイン Côte de Nuits Villages

<1996 コート・ド・ニュイ・ビラージュ>
 若干冷やして抜栓後INAOグラスへ。おっといきなりジェイエ・ジル節全開である。コーヒーにミルクが加わった独特のアロマは、あふれる黒系果実に支えられ、むんむんグラスからもれてくる。勢いのあるアロマである。黒系ルビー色は静かに深みを増していたかのような落ち着き感がある。栗っぽい土壌香も加わってエンジン全開。もうジャイエジルは誰にも止められない。全速力で駆け抜けていく印象である。奥深い印象は、さすがは村名クラスのワインである。口当たりの良さと、独特のアロマに印象付けられ、すっかり虜になっているが、やや余韻の短いところが気にかかる。アタックの強さが強烈で、余韻もそこそこ長いのだが、ラストにどうしても物足りなさを感じてしまう。

 おそらくそれは、直前に堪能したユベール・リニエの1996シャンボール・ミュジニの潜在能力の高さに圧倒されているからだろう。リニエをこのワインのあとに飲んでしまったら、圧倒的なアタックの強さにリニエが浮かばれないし、リニエの繊細な息遣いが楽しめない。優雅な余韻を楽しもうものなら、アペラシオン的にも造り手的にもリニエが勝るのはやむを得ない。それがAOCと造り手の特徴なのだから。
 リニエ ジェイエジル この順番で正解である。格付けが上のクラスなら順番は当然逆転するが、村名ランク同士である。ジェイエ・ジルの勢いはラストに持ってくるのがよい。とくに1996というグレートな年で、なおかつ飲み頃を迎えているのだから。ジャイエ・ジルの勢いは何人たりとも止められないのである。

 最近ジャイエ・ジルがマイブームである。この10日間ほどで数種類を堪能したが、1999 1996というグレートなビンテージこそこの造り手は買いである。コーヒー香むんむんのイメージは偉大な年ほど絶好調だからである。


以上
 


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