＜ミュスカデ　1999　キュベNo.1＞
　やや冷やして抜栓後INAOグラスへ。ごくごく薄い金色。レモンシロップのような香りがたっている。酸味が爽やかで、軽く、油断するとごくごく飲んでしまいそうである。たとえば、昼間の屋外パーティで、パーと飲みたいワインだ。桜の花の満開の下で、ワインが飲みたいと、うら若き女性にせがまれたら、このミュスカデでポイント稼ぐのも悪くない。あるいは屋内でなら生牡蠣に合わせてみるのも一興だ。シャブリに牡蠣の常識を覆さなくとも、シャブリとは違った組み合わせが場を盛り上げる。あるいは、調子に乗ってかき氷にレモンシロップの代わりにこのミュスカデをかけてしまったら、ちょっとポイント減点されるかもしれない。凍らせてかき氷そのものにしたら、もっと減点間違いなしだ。サイテーと罵られそうだが、少しだけ興味も沸いたりする。とにもかくにも、このミュスガデがあれば、大いなる宴が展開されるし、自宅でこじんまりと楽しむのも家計を圧迫せずにおいしい食卓が約束されたりする。ロワールのチャーミングなワインもまた楽しからずやである。

　
＜ロワール河流域＞
　全長1,000Kmにも及ぶロワール川流域に広がるワイン産地。大きく4地区に分けられる(特級や一級畑はないので、余り堅苦しく考えることもないだろう)。4つの地区とは下流、中流、上流そして中央フランス地区である。今回のワインはナント市周辺の下流地区にあり、AOCはこのミュスカデ・セーブル・エ・メーヌである。葡萄品種はミュスカデで、別名ムロン・ド・ブルゴーニュ。似たような名前のミュスカやミュスカデルとは違う品種である。ロワールについては別の機会に紹介したい。


以上