コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年02月26日 | |||||||||||||||||||||||
<ヴォルネイ・サントノ・デュ・ミリュ 1998> 抜栓後INAOグラスへ。ムラサキがハイ・インパクトな赤系ルビー色。かなり濃い色合いである。溢れる果実味に導かれるように口に含むと、さらに強烈なインパクトが待ちうけてくれていた。収れん性という言葉の意味がはじめてわかった。キュッ・キュッと音が聞こえるかのような凝縮感。マッターホルンや槍ヶ岳頂上を連想する鋭利に尖った先端が舌全体を刺激する。他の辛口赤ワインにこれほどの収れん性は求められないだろう。決して痛んでいるのではない。このワインに雑味は全くないのだ。果実味の塊。しかしこのキュ・キュである。アグレッシィブで、ワインの辛口をダイレクトに伝えてくる味わいが衝撃だ。しかし、そんな鋭利な感触も飲みこむ頃には、旨み成分に完全に姿を変える。なぜなんだ。赤い果実の新鮮さに鋭利な視点が加わりつつ、最終的に旨み成分で包んでくるのは、どういう仕組みになっているのだろうか。時間と共に果実味にインクぽさも加わり、さらに土のニュアンスも出てくる。このヴォルネイはたいへん強烈であり、このワインを熟成させたらどんなヴォルネイになるのか今から興味津々である。さすがラフォンである。 このワインは別の面白さも見せてくれる。グラスによって味わいが異なるからだ。グラスといっても両者ともINAOグラス。隣に注がれたグラスであるのに、方や鋭利、方や丸みを帯びたやさしい味わい。この違いはなぜ生まれるのか。もう一度このワインと真っ向勝負したくなる。それはあたかも日本刀の切れ味を確かめるかのごとくである。 <ヴォルネイ サントノ・デュ・ミリュ> 辛口赤ワイン。畑はムルソー村にあるが、アペラシオンはヴォルネイである。マダム・ルロワも造っているので、いつかきっと出会いたいものだ。 以上 |