アルノ・アント
試飲日 2002年03月05日 昼
場 所    ザ・ジョージアン・クラブ     
照 明 シャンデリア
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOCワイン
生産者 Domaine ARNAUD ENTE (Meursault)
Vintage 1999
テーマ アルノー・アント登場
ワイン MEURSAULT

<味わい>
 レストランのグラス・ワインとして登場。バカラBaccaratのオノロジーOenologieシリーズのブルゴーニュグラスに抜栓後すぐサービスを受ける。ややひんやりする温度。美しく輝く黄金色は濃くも薄くも無い中間的な色合いで、太陽光と白熱灯の光を受けてきれいに輝いている。梨と桃のフレッシュなアロマがたち込めて、香りのインパクトはかなり強い。ぐぐっとくる素敵なアロマだ。ナッツや燻し香は無い。口に含めば、とろみ感が心地よく、華やかな印象を与えつつ、しっかりとした奥行きも持つ。白い果実の濃縮感もたまらない。鼻から抜けば、程よいバター香も感じられ、幸せな食卓を演出してくる。ただ酸味に弱さを感じ、時間と共にだらりとたれる印象はぬぐいきれない。
 そこでグラスを変更すべく、小ぶりな白ワイン用グラスを追加する。グラス名は不明。INAOをひとまわり大きくして、開口部を垂直にしたような形状である。このグラスで味わえば、香りのインパクトは目立たなくなるものの、味わいにきりりと締まった感じが現れる。酸味もしっかり存在し、上品さもきれいに形作られていく。グラスの形状がワインの印象を変える楽しみもワインの魅力のひとつである。

 今回はバイザグラスでのオーダーだったが、話題のアントをグラスワインでサービスするグラン・メゾンの余裕を感じる。まだ抜栓していない新品だったため、非常にラッキーだ。ちなみに一杯1500円。高いのか安いのかは個人の価値観に影響されるだろう。個人的には素敵なシチシュエーションのもとで完璧なサービスとおいしい料理と共に味わえるのだから後者の考えが圧倒的である。

 このアルノー・アントのムルソーはこの村に出やすい重層感や、むるむるするバター香にヘーゼルナッツ系の燻し香がない。時間と共に出てくるかもしれないが、おそらく控えめであろう。代りにきれいな白い果実の印象が圧倒的で、濃縮感と切れの良さが上品にまとめられていて、ブレイクする理由もわかるというものだ。貴賓溢れる非常においしいムルソーである。感謝。


以上
 


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