コント・ラフォン | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年03月05日 | |||||||||||||||||||||||
<ムルソー 1996> 抜栓後すぐINAOグラスへ。液温17℃はやや冷やし目の温度設定である。透明感がある明るく輝く黄金色。とても上品なバター香とうっすら蜂蜜香が心地よい。若干樽のエキスからくるバニラも感じられる。温度が上がるに連れて、やさしく燻った麦わらも見え隠れする。時間が経てば、甘いケーキのような香りも漂い、非常に優雅である。油脂分も多く、とろみ感たっぷりの味わいにコント・ラフォン節がきれいに広がっている。酸がしっかりしていて、とてもパワフルでもある。コント・ラフォンを語るとき、どうしても必要な単語がある。「気品」である。フィネスと表現しうる「品」を強く感じることこそ、コント・ラフォンを味わうということなのだろう。 ラフォンはつくづくうまい。舌の上に一滴たらし、ゆっくりしみじみ味わいたい。一滴のムルソーは舌の上で壮大な広がりを見せ、格式高い高貴な味わいを提供してくれる。静かにじっくり味わうワインの最高峰だ。今回のワインは村名格ゆえに、なにかが飛びぬけて長けているのではなく、白ワインに対するすべての要素がベストなバランスで上品に成り立っている。アルコール感を感じつつも、シルキーななめらかさがことのほか細胞をくすぐってくる。がぶ飲みしたら決して味わえないような、たったの一滴でも細胞にしみわたるパワーが何とも心地よい。この満足感はうれしすぎる酔い心地である。 パーカーによれば、アン・ラ・バールとアン・リュロウルそしてシャルムの畑のブレンドらしく、そんな情報も味わいに一味プラスされるから嬉しくなったりする。 以上 |