ショーブネ・ショパン
試飲日 2002年3月18日
場 所    自宅
左隅の消しゴムはご愛嬌ということで
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Chauvenet-Chopin (Nuits-St-Georges)
Vintage 1999
テーマ ショーブネ・ショパン初登場
ワイン Côte de Nuits Villages
 
<コート・ド・ニュイ・ビラージュ>
 室温のまま抜栓後INAOグラスへ。非常に明るい赤系ルビー色で、季節がらもう少し赤を落とせば桜色になるのになあと思ったりする色合い。輝きがあり、新鮮な果実の色合いを連想させてくれる。香りも赤系果実をベースにしていてチェリーやイチゴの風味が新鮮だ。もぎたて洗いたてのフレッシュな印象を受け、瑞々しさに溢れている。口に含めば、甘めの舌触りでチャーミングな味わいに仕上がっている。やや粉っぽさを感じるところに、まだこなれていない印象を受けるが、飲みこんだ後の甘味にほっと一息つけそうである。たとえは悪いが、イチゴ味のキャンディーのひとかけらをいつまでも口の中で転がしつづけているような、そんな遊び心のある味だ。アルコール感も酸味も十分に感じられ、舌のどの部分にあたるかによって甘くなったり酸味を感じたりする。鼻から抜く感じにニュイ・サン・ジョルジュ系の土壌香などあれば良いのにと思いつつ、錯覚にしか過ぎないのは少し残念だったりする。
 
 このワインはとにかく目に鮮やかで、甘い口当たりにしてしっかり辛口赤ワインの本領も発揮してくるので、結局は酔いにまみれていい感じになってくる。ただいつまでたっても舌に甘さが残るので、少しくどいと思わざるを得ないところが寂しいかな、である。このワインがACブルゴーニュであるならばかなりの魅力も感じるが、ワンランク上の村名クラス(註)であるところに悲しみも募ったりする。確かによく出来ていて、チャーミングな味わいは女の子受けも良いかと思われるが、シックに決めたいときには少しワインが違うかなと思わないでもない。

 ただ2000円台のワインにして、ここまでの味を出してくれるのだから、給料前にして、よこしまな考えが浮かんだとき、このワインがあれば女の子をカッコ良く酔わせたりすることも出来る。うん、ベストチョイスかもしれない。アスティ・スプマンテに新鮮なフルーツを合わせるか、このワインを選ぶかは、、、いやいやそんなことにワインを使ってはいけない。一食入魂の精神がいつも歪んでしまう。ホントすみませんと思いつつ、ショーブネ・ショパンと過ごす夜も悪くない。もしあなたが、女性で彼氏がこのワインを一緒に飲もうと誘ってきたら、快く受け入れてあげよう。この味が価格以上に彼の魅力を引き出してくれることだろう。あなたがもし男なら、このワインがあれば今宵はだいぶ安上がりに・・・・。

 話が好きな方に脱線したが、このワインについて話を戻そう。時間が経つと若干砂糖漬けのニュアンスが漂い、焦がし香も感じられなくもないが、甘さのくどさも増幅されるので、ゆっくり飲むときは冷やし目にして楽しんだほうが良いかもしれない。この甘さを爽やかさに変えるには、温度調節が必要だからだ。とにかくこのワインは、ブルゴーニュがすっぱくて嫌という方にぜひお薦めしたい。辛口ワインの甘味を若干オーバーに表現しながらも、心地よく酔わせてくれる。私はこういうワイン結構好みだったりするからうれしくなってくる。感謝である。


 このワインの格付けについてはコラム参照


以上



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