マーセル・ラピエール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年3月24日など | |||||||||||||||||||||||
<テーブルワイン ル・カンボン>
冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。液温14℃。ムラサキに赤と黒を混ぜ合わせたような濃い色合い。甘いアロマが漂っていて、木のニュアンスもある。口に含めばアルコール感が刺激的。見れば14.5度もある。いつものワインのつもりで飲みこむと、むせてしまうほどの強さがある。タンニンはなめらかで、果実味も新鮮だ。二口目以降はアルコール感にも慣れて、意外に飲みやすくなるから不思議だ。このワインはガメイ全開の味わいがあり、なぜこのワインがテーブルワインなのか不思議なくらいである。AOCの何を違反しているのか気になる。恐らくは畑が区画外か、収穫時期を法定日より遅くしたか、醸造上の何かだろう。そんなことはさておいて、少しゆっくりと飲み、鼻から息をするとポートワインのような甘味を感じる。ボジョレーのビンテージポートと表現したくなる味わいである。 このワインは天然醸造のマーセル・ラピエール節を感じつつ、ワックスシーリングされたボトルと、いつもよりも厚めで歪な瓶に長期保存を意識させる。AOCという古臭い概念を取り払って、自由気ままに好きなワインを造っているようだ。濃いアルコール度数により、正直「やりすぎ」と言いたくなるが、こんなワインもボジョレーから出来るのかと思うと新たなる発見があったりもする。 そういえば、アルコール度数が14.5度といえば、日本酒のそれと同等である。旨口系の芳醇な日本酒を飲んだあと、キッとアルコールを感じるあの感覚にそっくりだ。好き嫌いは別にしてこういうワインとの出会いも良いではないか。私はどちらかというと後者の部類に入ったりするが・・・。 以上 |