コント・ラフォン | ||||||||||||||||||||||
試飲日 2000年11月4日 | ||||||||||||||||||||||
<味の印象> MEURSAULT ムルソー1996 口に含んだ瞬間は、柑橘系の果実味がやや冷やし目の温度に良くあう。全体的には力強く重厚なバター系の濃い味わいだが、それでいて飲みやすい。強くもあり、やさしくもある。直前に戴いたポール・ペルノのACピュリニー・モンラシェ1997を足下におく存在感がある。ムルソーらしい飲み応え。燻したナッツやバター香がそこはかとなく上品で、じっくりと愉しめる。とろみ感のある上品な金色には思わず拍手をせずにはいられない。半年前に飲んだときは飲み手を寄せ付けない堅さがあったが、今回は飲み手にやさしく語りかけてくれた。やっぱりうまいっ。 参考:パーカーズポイントは88 VOLNAY-CHAMPANS ヴォルネイ・シャンパン1995 赤系がうまく混ざり合った黒系の色合い。果実香が豊かで、私はこの香に目が無い。プラムやネクタリンのような、甘くほのぼのとした香はコシュ・デュリーの赤と相通ずるものがある。味わいもすこぶる上品である。タンニンが口の細胞の隙間に入り込んでくる感じ。渋いのに、その渋さがうれしい瞬間だ。味わいに奥行きがあり、飲み応えも十分にある。うまい。しばらくはこのワインに出会えた悦びに包まれていたい。果実味果実香が豊かであるのに、なぜか澱は多い。 参考:パーカーズポイントは88-90 アルコール度数13.0% VOLNAY-CHAMPANSヴォルネイ・シャンパン1996 紫がかった黒系の赤。1995よりも濃い色あいは、その紫系の影響のためだろうか。うっとりする色だ。この色もうれしい。口に含めば、うまみ成分が口内を支配する。渋みもしっかりとしていて、これを熟成させたらすごいことになりそうだ。甘い香に反して、しっかりと辛い。辛いがそのうまみ成分のために甘くも感じられ、飲み干す頃にはやはり辛口であることを教えてくれる。辛いのか甘いのか、ワインが細胞や神経との接触具合によって味覚が変るのは非常に不思議である。トータルバランスで1995年との差は格段に感じられる。さすが1996年だ。その実力を思い知る。この感慨がうれしい。澱は無い。 参考:パーカーズポイントは90-92+ アルコール度数13.5% <コント・ラフォン> 周知のとおり、ブルゴーニュきっての白の名手である。造られる白ワインは世界最高峰に君臨し、ために非常な高値で取引されている。特にモンラシェはこの星を代表し、ムルソー・ぺリエール、ムルソー・シャルム、単独所有のムルソー・クロドラバールなどロバート・パーカーの絶賛ぶりは読み手にそのすばらしさを素直に伝えている。今回の例をみるまでもなく、赤も当然すばらしく、飲めば納得である。ラフォンの和紙を思わせるエチケットを眺めているだけでも幸せだ。しかし飲めば、もっと幸せ。 今回のヴォルネイ・シャンパン(1級)は日本未入荷である。極少量のワインはアメリカ市場で流通し、今回の二本も尊敬する某氏のハンドキャリーによるものである。希少であり、貴重であり、貴賓である。日本で飲ませていただく幸せに感謝してやまない。 また、ラフォン伯爵はブルゴーニュの栄光の三日間(トロワ・グロリューズ)の最後の宴を創始したことでも知られている。今の当主はドミニク・ラフォン。 <おまけ・ヴォルネイについて> この特級畑を持たないコート・ド・ボーヌのアペラシオンは優れた生産者が多いことでも有名である。ラフォン以外の一部を紹介しよう。ぜひとも飲みたいものである。 Domaine Marquis d'Angerville マルキ・ダンジェルヴィル Domaine Michel Lafarge ミッシャル・ラファルジュ Domaine Pousse d'Or プスドール Hospices de Beaune オスピス・ド・ボーヌ Domaine Leroy ルロワ また、コシュ・デュリーについては当ドリンキングレポートを参照してね。 以上 |