シャトー・ド・ムルソー | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年05月03日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 冷えすぎない程度に冷やしてから抜栓後すぐINAOグラスへ。深みのある金色。燻したヘーゼルナッツとバター香がこのアペラシオンの特徴を表現している。バターの香りと連動するとろみ感も十分にあり、奥行きを感じる深い味わいだ。ナッツと共通する苦味も旨み成分の合間から顔をのぞかせている。全体的には豊かな味わいが品のいいバターで覆われているような印象を受ける。大人の「ゆとり」とでも表現すればいいのだろうか。質感のある豊かさは、名門の看板ワインとはこういうワインだよと声に出さずとも伝わってくるから不思議だ。欲を言えば、もう少し酸味があればふくよかさの中にきりりと締まった背筋を感じることも出来るだろう。またはもう少し冷やしてからスタートしても違った味わいが楽しめそうだ。いろいろ遊べるワインであり、それでいて決して裏切らない味わいが面白い。 ワインはムルソーの2つの一級畑からなる。AOC法との対決姿勢を表に出しているためかそれぞれの畑名単独のワインは造っていないという。自分の土地を勝手に線引きするなと言うことだろうか。名門の意地をこのワインに感じることもできる。 そういえばシャトー・ド・ムルソーは都内でも見かけるようになった。うれしい限りだ。このドメーヌは観光客にも門戸を広げてくれていて、入場料を払えばカーブにて試飲も出来る。今回の「ある旅人のドメーヌ訪問」では立ち寄らなかったが、いつかは試飲したいものである。ドメーヌ・パトリック・ジャビリエのワインも試飲できるらしい。 以上 |