ギュイユマール | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年05月12日+15日 | |||||||||||||||||||||||
<ポマール一級 クロゾルジュロ> 抜栓後すぐリーデルの通称ポマールグラスへ。色が濃いルビー色。あらら。香りがなにやら薄い。口に含めば早速酸が立っていて、平べったい酸っぱさが悲しい。おいしくないぞ。ポマールの1級をいれて、こんながっかりしたことはない。こいつはいかんと思い、気を取り直してINAOグラスを用意する。 ほっである。INAOからはビターなチョコレート香が立ちこめている。ベリー香も品良く混ざり合い、濃縮感が圧倒的に違う。ベクトルが上を向いていて、うまみ成分がぐいぐい攻めてくる印象を受ける。余韻もそこそこあり、なかなかおいしいワインだ。何だおいしいじゃないか。びっくりさせないでくれだ。ただ欲を言えば、余韻と共に残る水っぽさが少し寂しい。 しかし、これはポマールだろうか。1999なのに荒々しい果実味はなく、どちらかというと、「しなやかなボーヌ」の印象だ。果実味も豊かではあるが、後味に残る水っぽさは、ポマールへの思い入れが大きい分、期待はずれに終わってしまう。1999にして閉じているという感触はないので、なおさらだ。ポマール一級をポマールグラスに入れて、NGだったショックは少し尾を引きずる。決して駄目なワインではない。しかし、複雑な果実味の織り成すポマールの世界をもっと堪能したかった。「ポマールは難しい」のひとことで片付けてしまってもいいのだが、偉大な年1999にしては、なにか納得のいかない物足りなさを感じるので、別の機会にもう一度挑戦したい欲望に駆られたりする。飲み方をどう変えるか思案のしどころだ。 この造り手については情報が少ない。ドメーヌはクリストフとテェリーに分かれているという。情報によれば、クリストフのほうが評価は高い。ところでこのClos Orgelotは畑名だろうか。手元の文献には載っていないので、ワイン・造り手・畑すべについて追跡調査を試みよう。 <2回目の試飲> どうも納得がいかなかったので、再度挑戦。蛍光灯。液温21℃。 チョコレートに煙草の煙のようなアロマが面白い。色合いは1995ビンテージですと言われた方がしっくりくるようなガーネット混じりのルビー色。INAOで飲めば、しなやかな飲みごこちで、やはりボーヌ的だ。おいしい。やさしく上品な味わいだ。しかし、どうしても、「ポマールなのに」という無念さは募る。これが新しいポマールの形なのだろうか。そういえばドメーヌ・ブスドールのポマールも似た印象だし、ジャン・ガローデのポマールは華やかな果実味がベースにあるし、最近伝統的なポマールを飲んでいないことにハッとしたりする。そして某番長より頂いた情報によれば、この造り手のワインは次ぎの通り。アペラシオンを眺めれば、やさしさの意味がわかるような、そんなラインナップではある。 ブルゴーニュ ルージュ |