レ・エリティエール・デュ・コント・ラフォン
試飲日 2002年05月23日
場 所    神奈川県内某所       
照 明 白熱灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC白ワイン
生産者 Les Héritiers du Comte Lafon
Vintage 2000
テーマ コント・ラフォンのマコン再び
ワイン Macon-Milly-Lamartine
 
<マコン・ミリー・ラマルティーヌ (ヴィラージュ)>
 
購入後冷蔵庫で冷やして4時間。抜栓後すぐINAOグラスへ。ごくごく薄い金色が輝いている。バニラ、リンゴ、レモンを感じるアロマは1999とほぼ同じ系統だが、力強さが全然違う。圧倒的なマコンを彷彿とさせるパワフル仕立て。鼻から抜く香りも断然違っている。甘いハニー香が混ざり合うふくよかさが、気持ちにぐっと迫ってくるのだ。うまい。後味に残る柑橘の皮のイメージも良い方向に触れていて、ふくよかさの中にきりりと絞まった酸味がすばらしい。絶妙なバランス。いい。噛めるような味わいはマコンらしく、飲み応えを十分感じられる良いワインになっている。うまみ成分もしっかり存在し、唾と混ざり合うマコンは格別の味わいがして、飲み進むほどに楽しくなってくるワインだ。グレープフルーツのような苦っ酸っぱさもワンポイントが利いているようで素敵だ。うまいマコンに感激だ。時間と共に砂糖漬けの果実のような甘味も出てきて、いいぞ。薄い色合いからは想像しにくいうまみ成分に心から拍手を送ろう。

 マコンはビンテージの影響を受けにくい地区といわれている。それゆえ昨夜の1999ビンテージと比べても意味はないかと思っていた。しかし、昨夜のワインにどうしても納得できなかったので、今宵リターンマッチと相成った。2000年はしっかりうまい。すばらしい。大変おいしいワインに巡り合えて幸せだ。ちなみに昨夜の2本のマコンとはまた違うバージョンだ。より細かい区画からのワインである。Lamartineはこのドメーヌの本拠地のコミューンの名前。

 さて、もうひとつのテーマ。このワインにコント・ラフォンのエッセンスは入っているのか。答えは、NO。右から見ても上から見てもマコンにしか見えない。おいしい味わいもマコンだからおいしいのであって、どこにも見当たらないコント・ラフォン節は、探さないほうが良い。口の中でこねくり回すうちに酔いも廻ってくるし、どうしてもマコンにしか感じられない味わいは、マコンとして100%のうまみを引き出したいものだ。ほら、とろとろの味わいになっている。妄想はやめにして、さあもう一杯。

 昨夜の不満足は、あのロマネ・コンティの影響を受けたのかもしれない。酒の神バッカスの逆鱗に触れたとしか思えない。やはりワインは謙虚に味わおう。おごり高ぶった気持ちに喝を入れてくれたバッカスに感謝だ。バッカスに許しをこいてくれたコント・ラフォンにも感謝だ。これからも謙虚に、そして楽しくワインに接したい。そしてこのおいしさを共有したいと思いつつ、エリック・クラプトンが奏でる「LAYLA いとしのライラ」のボリュームを上げよう。なんか泣けてくるなァ。
ね、薄いんだ。 コルク AC Macon-Villages
  

以上



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