ヴォグエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年05月26日 | |||||||||||||||||||||||
<シャンボール・ミュジニ>
抜栓後INAOグラスへ。ムラサキのない深い色合いのルビー色。化粧ぽい甘いアロマがドカンと飛び込んでくる超ハイ・インパクトな勢い。ミルク、ベリー香が漂い、香りにムラサキっぽい印象を受ける。口に含めば、果皮のエグミのようなきつい味が一発目にあって、やや戸惑いを覚えたが、しばらくするとそのえぐっぽさはワインに馴染み、凝縮された果実味であることが分かる。ガチガチの硬さの中に圧倒的な力強さを感じ、長熟させてなんぼの実力を思わずにはいられない。ピノ・ノワールの本流を行くすばらしい味わい。味自体には全く甘味を感じないが、その媚びることのない果実味は、果実本来が持っている凝縮されたうまみなのだろう。ググッと迫りくるうまみ成分にメロメロ状態突入モード。時間が経っても、まったくへたることを知らない偉大なブルゴーニュの片鱗を端々に見せつける凄い村名シャンボール・ミュジニだ。黙っていれば、一級、はたまた特級ボンヌ・マールをも彷彿とさせる味わいだ。非常に力強いシャンボール・ミュジニに感激である。 先月某所aにて試飲させていただいた1996ボンヌ・マール(未掲載)と相通ずる力強さに、改めてボグエの偉大さを知るところだ。パワフルで濃厚な味わいは、ややもすると野暮ったくなりがちだが、ヴォグエ節を思わせる気品で優雅な味わいで包み込む包容力に、世界の頂点を思い知る。平年作1998ビンテージをしてここまでの充実ぶりには声が出ない。ブルゴーニュの赤という括りで評価するビンテージチャートの限界を思い知るワインの代表格かもしれない。偉大な造り手はビンテージを越える。そして1999のような偉大な年のボグエはどんなワインを造っているのだろう。俄然興味が沸くと共に、懐具合と相談する日々が続いたりする。 Bouteille No. 2222 以上 |