デュジャーク
試飲日 2002年06月01日
場 所    小料理屋 はせ川
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC白ワイン
生産者 Domaine Dujac (Morey St Denis)
Vintage 1998
テーマ デュジャークの白
ワイン Morey St Denis blanc
 
<モレサンドニ ブラン>
 
冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。明るいクリーミーな金色が目にやさしい。柑橘のアロマが漂い、色合いと共通するクリーミーなバニラが覆い被さってくる。口に含んで鼻から抜くとマロン香が鼻周辺にゆらゆらしていて、コルトン・シャルルマーニュ系の香りが心地よい。ただ若干酸が足りないので、きりりと締まった味わいが感じられず、ぼやけ気味の味わいが寂しい。「ふくよかさ」までいかないもっさり感が、まあこんなもんだろうという場の雰囲気を助長して、なにやら中途半端である。しかも厄介なことには、以前飲んだ1992の完璧な味わいと比べがちで、どうも、ふーんというがっかり感が己の未熟さも露呈してしまう。 

 気分を換えて、付け出しのヒジキと合わせてみる。おや。うまい。ヒジキのうまみをぐいっと引き出すような何とも言えない組合せだ。調子に乗ってまな鰹の西京焼きと合わせてみる。さらにうまい。西京味噌の風味がより深く、より濃縮されたような、ぐいぐい食欲を誘うう味わいに変身している。和食とデュジャークの白はこんなにもベストマッチだったとは、驚きである。しかも今回のそれはただの西京焼きではない。はせ川の自信作だ。和の隠れた名店と、デュジャークの巧みな競演に、姿勢を正して身を乗り出したい気分だ。

 ワイン自体も時間と共にうまみ成分が増してくる。ふくよかな味わいが、ぐいっと心に迫ってくるのだ。ボリューム感がアップする味わいは、時間の経過と共に変化するブルゴーニュの楽しみのひとつ。ただどうしても酸味不足は否めないので、いわゆるモワンモワンするだけに終わってしまうが、そこは食事との組合せによっていくらでもカバーできるので、弱点を見つけて喜ぶよりも、良い所を引き出す努力をしたほうがおいしい食卓を囲むことができるだろう。

 今回のデュジャークは「憧れのポマール大会」の直前に提供された。こんな素敵なアペリティフは他ではちょっと味わえないだろう。はせ川と某氏に感謝である。


以上



目次へ    HOME

Copyright (C) 2002 Yuji Nishikata All Rights Reserved.