コント・ラフォン
試飲日 2002年06月04日
場 所    都内某所
照 明 蛍光灯
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Domaine des Comtes LAFON (Meursault)    
Vintage 1999 1998
テーマ ラフォンの赤
ワイン Monthelie 1er cru Les Duresses

<モンテリー・レ・デュレス 1998>

 やや冷やして抜栓後すぐINAOグラスへ。液温17℃。美しいルビー色は気持ち桜色をしている。干したイチジクや黒系果実が品良く香っている。口に含めば、鄙びた雰囲気も醸し出し、果実本来のあまみはやさしい基調に包まれて端正な味わい。この媚びない甘さは好みである。爆発するうまみ成分こそないが、しずかに、そしてゆっくりとうまみが伝わってくる。若々しい果実味に鄙びた哀愁が重なるとき、コント・ラフォンの赤を飲んでいる充実感に包まれる。質実で上品な大人の味、ビターな味わいを楽しむならば、この一本だろう。


<モンテリー・レ・デュレス 1999>
 同じく少し冷やしてINAOグラスへ。液温15℃。今度は濃い色合いが目に飛び込んでくる。ムラサキをエッジに配したダークなルビー色だ。その濃い色合いは、グラスを傾けた程度では透けることもなく、ビンテージの違いがここまで色合いを変えるのかと思うと、つくづく興味深い。香りは閉じ気味で、黒系果実が静かに漂っている。口に含めば、媚びない甘味が凝縮していて、タンニンとのバランスも良い。濃くって強いのに品があるワインの見本のようなワインだ。時間と共にミルキーな味わいがプラスされ、静かな余韻に身をゆだねたい。今飲んで、複雑で新鮮な果実味を楽しむも良し、数年後鄙びた熟成感を楽しむのも良しだろう。この凝縮した果実味は、まさに超熟タイプだ。このワインに派手な趣はないので、しとやかに、しみじみうまいワインが飲みたくなったときがこのワインの飲み頃だろう。


<おまけ>
 今回のテイスティングと同じ時間にワールドカップの日本戦があった。2対2で引き分けた試合の展開を気にしつつ、コント・ラフォンの夜はふけていった。屋外に出ると、いつもは仕事帰りのサラリーマン達で賑わう都内某繁華街に人影は少なく、いつもと違う風景に戸惑いを覚えたりした。



以上
 


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