＜ACシャブリ特級　ブランショ＞
　抜栓前に冷やしておいたシャブリ・グランクリュ。抜栓後すぐINAOグラスへ。うすく緑がかった金色がグラスを曇らせながら輝いている。シャブリ特有のフリント香が鮮やかに香る。燻し香も少しあるようだ。口に含めば、しっかりした酸に支えられシャープな味わいにふくよかさがプラスされている。新鮮な果実味に加え、いい具合にうまみ成分もある。さすが2000年のシャブリはうまいと思いつつ飲みこむが、あれれ、余韻が非常に短い。スパッとナイフでたち切られたかのような余韻のなさが残念だ。もう少しうまみ成分が漂ってくれないと、せっかくのシャブリも台無しだ。がっかり。時間が経てばたつほど、その打ち切り感は強くなり、何か物足りないシャブリになってしまっている。余韻がゼロに近いがっかりさを感じてしまったが最後、このワインへの関心は急速に衰えていく。ただ酔うためのシャブリ。決して痛んでいないし、きっぱりとした味わいは、そこそこおいしいので、単品で味わうよりも、食べ物と一緒に飲むほうが個性を発揮できるだろう。

　2000年というブルゴーニュの白にとってすばらしい年。シャブリの生産者の中でもトップテン入りを目指しているヴォコレ。このシャブリ有数の生産者は、それなりにおいしいシャブリを造っているが、いわゆるトップ3の生産者に比べその差は歴然としている。その差を肌で感じてしまったことに、すこし戸惑いを覚える。ヴォコレは都内各地でも多く見かけるワイン生産者。それだけに使い勝手も良く、シャブリが飲みたくなったらヴォコレは重宝する。個人的には無理して特級を選ばずに、シャブリ一級やACシャブリを買って仲間内でワイワイやるのが良いかもしれない。


以上