オスピス・ド・ボーヌ
試飲日 2002年08月16日
場 所    神奈川県某所k    
照 明 蛍光灯
種 類 フランスブルゴーニュ地方AOC赤ワイン
生産者 Hospices de Beaune (Beaune)
Vintage 1999
テーマ オスピス・ド・ボーヌ初登場
ワイン MAZIS-CHAMBERTIN Grand cru
Cuvée Madeleine Collignon
 
<マジ・シャンベルタン キュベ マドレーヌ・コリニョン>
 
抜栓後小一時間そのまま待って、INAOグラスへ。真っ黒系の深いルビー色で、この黒さは驚きに値する。なぜか胡麻の香りが鼻腔をくすぐり、ハーブ、ミルク、黒系果実が香っている。時間と共に煙も登場し、グランクリュの貫禄を見せつける。口に含めば、力強い凝縮感。1999にしてこの黒さであるから、タンニンが刺激的かと思いきや、意外にも非常に滑らかで、歯茎をやさしく覆ってくる。口に含んだすべてのワインが舌の上に集約され、舌の上で塔を築くかのような収斂性も心地よい。力強い味わいに、熟しつつある複雑な黒系果実の味わいと、滑らかで上品なタンニンが、やさしくベールを被せたような、そんな味わいだ。唾もグイッと溢れだし、いつまでも続く余韻とともに、偉大なワインに出会えた喜びが食卓を包み込む。うまい。

 グラスを替えてロブマイヤーNo.3へ。このグラスは豊かな黒系果実の深みを一層引き出し、凝縮感をより一層堪能できる。いわゆる濃くって強いワインであるが、なめらかさが基調にあり、嫌味のないの大きな味わいを堪能できる。本来ならば、10年後に飲むのもベストだとも思われるが、今飲んでも充分心揺さぶられ、マジシャンベルタンの潜在的能力の高さを追求してみたくなる、そんな好奇心を揺さぶるワインである。

 年号違いを求めるならば、某所に1996があり、某所に1985がある。1999を飲んだことで、その二つに俄然興味が沸くところである。

 気がつけば、このレポートではオスピス・ド・ボーヌは初登場だ。オスピス・ド・ボーヌについは別の機会にまとめてみよう。ここには、ブルゴーニュを代表しつつも、他のブルゴーニュとは一線を隔す哲学があるのだから。


 落札者 ミレジム
 瓶詰め Roux Pere et Fils (Saint-Aubin)


以上



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