パトリック・ジャヴィリエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年09月03日 | |||||||||||||||||||||||
<味わい> 抜栓後すぐINAOグラスへ。液温やや高めの19℃。金色に近い黄色で、この複雑な色合いはちょっと珍しいかもしれない。香りも特徴的で、例えるならば麦わらを蜂蜜につけてさっと上げた感じに似ていなくもない。この村の特徴であるバター香は少なく、比較的地味なタイプのムルソーだろう。口に含めば全体的な印象はこじんまりとしているものの、きちっとした辛口の味わいがあり、膨らみ過ぎないボリューム感もなかなかだ。ワインに溶けこんだ苦味成分とパリパリ感もよくマッチしていて(ん。この表現は伝わるかな?)、白系の魚をこってりしたソースで頂くときにぜひ欲しくなるワインだ。鼻から抜けば、飴をかけたような燻し香が絶妙で、バナナっぽさも感じつつ、ラストはカラメルをこねたような感じに変化する。余韻はそれほど長くはないが、ミネラリーな味わいが時間と共に増してきて、そしてバターの風味ものぞかせるところが憎かったりする。 全体的にやはり派手さがない分、小さくまとまってしまいかねないが、それゆえに食事と合わせる時には料理を邪魔しない配慮があるワインだろう。個人的な好みからすれば、もう少し派手に自己主張するムルソーの方が好きなので、もう一度出会いたいかどうかは微妙だが、ムルソーの違う一面を見られたような経験がうれしくもある。 そういえば、パトリック・ジャビリエのドメーヌにも訪問したが、あいにく留守で面会できなかったことが偲ばれる。ドメーヌはドメーヌ・マトロの前にあり、ドメーヌ・アルノー・アントと同じ通りにある。 以上 |