シャトー・ラフィット・ロートシルト
試飲日 2002年09月18日
場 所    都内某所       
照 明 白熱灯
種 類 フランス ボルドー産AOC赤ワイン
生産者 Château Lafite Rothschild (Pauillac)      
Vintage 1982
テーマ ボルドーの頂点のはずが・・・
ワイン Château Lafite Rothschild
 

<シャトー・ラフィット・ロートシルト 1982>
 都内某所の有料テイスティング。推定抜栓後2時間で半分以上減ったボトルより、リーデルのボルドーグラスへ。某氏が注文したものをちょこと頂く。

 いわゆるボルドーの熟成色で茶褐色の深いルビー色。ブルゴーニュに慣れていると、この色の濃さには少し戸惑うが、ラフィットをしてこの色合いも世界の頂点のひとつに違いない。グラスからは勢いよくブーケが立ち上り、強烈なインパクトを脳に伝達する。トリュフ、なめし皮、熟したカシスが芳醇に香っている。口に含めば、重厚感に華やかな印象が重なっている。若々しさと熟成感の両方を持ち合わせ、口一杯が豊かな喜びに包まれる。複雑にして優雅な味わいは、フィネスを感じ、つくづく上品である。

 これが1982のラフィットかと感激しつつ飲みこむと、意外に余韻が短いことに気づいたりする。本来押し戻ってくるはずの旨み成分も特に無く、非常にこなれたタンニンが、やさしく歯茎を刺激しつづけるのみだ。あれ。なんか変だ。決して痛んではいないが、何故こうもあっさり引き下がるのだろう。期待が大きく膨らんでいたがゆえか、スケールの意外な小ささに戸惑いを隠せずにいる。

 一杯5000円もする豪華テイスティングにもかかわらず、ボルドー好きを豪語する某氏は明らかに不満顔。確かにこの味わいはラフィット本来のモチベーションは反映していないだろう。これがワインの難しさだねと呟く彼の背中が心持小さく見えたのは、気のせいではないだろう。なにはともあれ、いつかどこかでリターンマッチと行きたいところだ。


以上



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