新キノシタでの楽しい夕べ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年09月24日 | |||||||||||||||||||||||
今回はスペシャルです。日頃から懇意にさせていただいている某レストラン・キノシタに移転後はじめてお邪魔した。お客をやらせて頂いて感謝であり、楽しい食事に大満足である。今回は基本的にすばらしい食空間を堪能することに全力をかけていたので、ワインのコメントはかなりの大雑把。参考程度というよりは、自身の思い出に。 <シャンパン・ランソン> 新装オープンの乾杯に。これがまた鯨の竜田揚げに合うんだな。 <マコン クレッセ 1998 ドメーヌ・ド・ラ・ボンクラン> マコネ地区で話題沸騰中のボンクランである。薄い金色が輝いている。燻し香はなく、落ちついたハニー香が鼻腔をくすぐる。口に含めば、スッキリとした酸に洗練されたハチミツが被り、すばらしくうまい。後味がきれいに消えていくのに、余韻だけがふわふわと漂ってる。辛口にもかかわらず、貴腐を意識させるところが憎い。牡蠣にも鯨の竜田揚げにも、蛙とラタトゥイユにも合うのは何故 ?。すばらしい。おそらくすばらしい酸が、このワインを特徴付けているためだろう。このドメーヌはやはり注目されるだけのことはある。今度じっくりワインだけで勝負したいものだ。早くも感激モードだ。 <ブルゴーニュ 1999 アンヌ・グロ> ボンクランのマコンが酸味で食事とマリアージュしていたのに対し、アンヌ・グロはラタトゥイユに真っ向から勝負して、違う味わいを引き出してくる。ラタトゥイユの酸味がアンヌ・グロの魔力によってくるりと向きを変え、心地よい苦味の世界に誘ってくるのだ。赤系果実味が健康的で、しっかりとした構造も持ち合わせているので、どんどん飲みたくなるワインだ。そしてラタトゥイユばかりか、シェフ定番の鮭の瞬間燻製の甘味にも対応し、食事が益々楽しくなる。アンヌ・グロ恐れ入った。ちなみに、そう広くない店内ではその夜、3本のアンヌグロが開栓されていた。おそらく次回いく時はリストから外れていることだろう。 <ボーヌ・トゥーサン 1988 アルベール・モロ> 今宵のメインのはずだった。熟成のピークにあると思われる味わいは、ふくよかに、しなやかに、やさしく料理を包み込む。あまえびを丸ごと出汁に使ったスープにパンとチーズとニンニクのナンたらを落し、ふうふう言いながら頬張って、このワインを飲みこむと涙が出るほどうまい。キンメダイの甘辛仕上げ?のパリパリ感にこれがまた合う。何の抵抗もなく、ぐびっと喉を通りすぎる。やばい。肉の前に、なくなってしまった。そしてワインリストからこのワインも姿を消した・・・。最後の1本をおいしく頂きました。感謝。 <モレ・サン・ドニ 1997 デュジャーク> ハトに合う。完璧である。熟成感のあるやさしいデュジャークは、つくづく上品で、非常にふくよかだ。赤系黒系の果実味がどうだといわんばかりに熟成していて、もううっとりモード大全開。すばらしい。今がまさに旬。これからどう熟成していくのか興味もあるが、この瞬間にここまでおいしいのだから、今のうちに全量を飲み干したい気分だ。ハトのあらゆる部位にもマッチして、目に浮かんだ涙は今まさに・・・。 <まとめ> うまい。うますぎる。まさに一食入魂。生きててよかった。 そして腹いっぱい。もう食えない。 <おまけ> 新生キノシタは移転後3週間ほど経っている。その間常連サンが足を運び、昔のお店との比較談義に花を咲かせているという。賛否両論。店内のど真ん中に置かれた大テーブルは8人がけで、フレンチなのになぜか相席状態なのだ。私はこれがキノシタスタイルの新展開と思い、ここに賛同する。旧店舗とは一味もふた味も違いを見せつつ、流れるスタイルは共通している。新しいスタッフも加わり、今後の大発展を願うばかりだ。それにしても最後に出てきた○○は甲殻類の出汁が効いててうますぎる。 最新鋭エスプレッソマシーンを導入し、ご自慢のエスプレッソを。基本的に砂糖は入れない派だったが、シェフのお薦めにより砂糖をガンガン入れてみる。うまああい。なんで。甘くない。コクが深まる。凄い発見だ。 ん。今宵、何品食べたのだろう。ラタトゥイユお代わりしてるし・・・。デザートはキャンセルったけど。ご同席頂いた某夫妻とフウライの某氏に感謝である。そして翌日は某氏達が行く予定なので、彼らの感想も聞きたくってしょうがなかったりする。 翌日某氏たちも大満足だったらしい。彼らも相当飲んだらしい。羨望。 大テーブルも好評で、今度は彼らともご一緒したい次第だ。 以上 |