マーセル・ラピエールとクリストフ・パカレ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年10月07日 | |||||||||||||||||||||||
<ムーランナヴァン 2001>
かなりリ冷やして抜栓後すぐドメーヌ・モンジャール・ミュニュレでもらったテイスティンググラスへ。液温10℃。今宵NHKのプロジェクトXで目を潤ませ、油断している間に冷やしすぎた。ちょっと反省。冷たい温度のため香りは立っていないが、新鮮ないちごの風味がグラスに充満している。色合いは意外に薄いイチゴ色。従来のラピエールはもっと色が濃かったような思いがあるが、透明感のあるピンク含みのルビー色だ。口に含めば、ひんやりするも、うまい。まさにイチゴちゃんと呼びたくなるような雑味のない新鮮な味わいだ。フルーティと決め付けるには構造がしっかり感じられるので、この味わいはまさにマーセル・ラピエール節の旨み成分だろう。酸味が心地よく、裏方に徹するタンニンも構造を支えているかのようだ。 少し温度を上げてみる。液温15℃。温度が上がったために新鮮なイチゴに焦がしたニュアンスが加わって、さらに草っぽいイメージが頭をよぎる。例えるならば、静岡県某所のイチゴ狩りでもぎたてのイチゴを葉っぱごと頬ばったかのような味わいで、葉っぱごと食べたにしては雑味がなく、素直においしいと笑みがこぼれる味わいだ。そのイチゴ少し砂糖つけたでしょと軽く突っ込みたかったりもする。そう。砂糖漬けのニュアンスも感じられるのだ。いい。いい感じである。 2001年のマーセル・ラピエールは最近結構あちこちで飲んでいる。ボジョレー、コート・ド・ブルイイ、ボジョレー・ビラージュ(シャトー・カンボン)だ。モルゴンも近日試飲予定である。ボジョレーやコート・ド・ブルイイで感じたワイン単独ではやや物足りない寂しさ(註)は、このムーランナヴァンにはない。さすがボジョレーを代表する畑である。爽快感を全面に出しつつも、しっかりいい仕事をしていて飲み応えも充分感じられる。俗に言うへんちくりんなピノ・ノワールを選ぶのは止めて、ぜひこのガメイ種で喜びを分かち合いたくもある。 秋の夜長にこのボジョレーのムーランナヴァンがあれば鬼に金棒。 きっと素敵な夜を満喫できることだろう。 註 但しさんま飯など食事と合わせると楽しいマリアージュが堪能でき、状況に応じて使いこなせれば最高だ。 以上 |