ロベール・グロフィエ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年10月26日 | |||||||||||||||||||||||
<シャンボール・ミュジニ レ・オー・ドア>
抜栓後すぐINAOグラスへ。液温21℃。黒に近いルビー色。甘いバニラ香とスミレが勢いよく香りたち、赤系果実をベースに砂糖漬けのニュアンスも感じられる。口に含めば、華やかなうまみ成分。凝縮感がすばらしく、舌をギュと押し付けるような力強さが細胞を奮い立たせる。しかしなぜかなめらかな味わいにグロフィエの実力を見る思いがする。唾がどぼとぼ溢れ出し、香りと味わいに共通項が多くあり、非常にストレートで分かりやすいオー・ドアである。ただ、力強くハイインパクトゆえに後半の伸びが今ひとつ残念であるが、それは些細なことだろう。 畑はミュジニ側に位置し、レザムルーズに接している。シャンボールの一級の中で最も力強い味わいがこの畑の特徴であり、グロフィエは見事にそれを表現している。 <シャンボール・ミュジニ レ・サンティエ> 抜栓後すぐINAOグラスへ。液温21℃。上記オードアのエッジに若干ムラサキを入れたような色合い。香りは沈みがちで、バニラとスミレがようやく顔を出している。口に含めば、赤系果実と黒系果実がきれいに混ざり合い、非常にしなやかな味わいを醸し出している。凝縮した果実味が舌を真綿で包み込むようにうまみ成分を楽しませる。オードアと比べるとより一層サンティエの繊細な味わいが特徴付けられ、やさしいシャンボールの実現に頬も赤みを帯びてくる。後半の伸びもすばらしく、長い余韻にしばらくは身を任せていたくなる味わいだ。 畑はボンヌ・マール側にあり、ボンヌ・マールの猛々しさとは裏腹に、非常に繊細な味わいが特徴。 <まとめ> 2000年のグロフィエは赤み系のルビー色のはずだったが、今回のロットはかなり黒に近い色合いだ。半年前のロットとは明らかに違う色合いにして、今セラー蔵出しされた所以も計り知れるというもの。いずれにしても2000年のグロフィエは数本キープしたい逸品だ。 以上 |