ドーブネ | |||||||||||||||||||||||
試飲日 2002年12月13日 | |||||||||||||||||||||||
<アリゴテ>
地下の売り場で購入したボトルを少し冷やしてもらって、二階のレストランで抜栓後すぐシャルドネ用風グラスへ。透明感のある深めの金色。ビオディナミ特有の還元臭があるものの、嫌なタイプのそれではなく、耕したての土壌香をメインに燻したヘーゼルナッツが心地よく香っている。まさにドーブネ節全開であり、思わず頬も緩むというもの。酒質は重く、存在感はぴか一である。肉料理にあわせてもいいほどの秘めたタンニンが心地よく、酸もしっかりしていて、とろみ感も十分ある。1997年ほどの華やかさこそないものの質実系の充実感がたまらない。さらに言えばこのアリゴテはシャルドネの比率も相当高いであろうと推測できるほどの丸みのある味わいで、それでもしっかりと後味にはアリゴテ独特のすっぱみも効いているから不思議だ。うまみ成分もたっぷりのっていて、アリゴテにありがちな妙なアルコール感はなく、すっきりとしたおいしさがうれしくなる。余韻はそこそこという感じではあるが、このクラスをはるかに超えて、優美な雰囲気を醸し出してくる。 ただ、しいて言えば後半の伸びが今ひとつで、複雑なうまみが平面的になってしまうきらいがある。ファーストインプレッションが良かっただけに、そこが惜しくもある。いずれにしてもおいしいアリゴテであり、アリゴテの個性を超えた逸品である。 1166本しか生産されておらず、日本での入手は困難を極めるところが辛い。 No.01046/1166 以上 |