ギスレーヌ・バルト
試飲日 2002年12月14日
場 所    パリ某所
照 明 不明 (暗めの室内)
種 類 フランス ブルゴーニュ地方AOC赤ワイン 
生産者 Domaine Ghislaine BARTHOD
(Chambolle-Musigny)
Vintage 1999
テーマ 初登場
ワイン Bourgogne
 
<ブルゴーニュ>
 
パリのワインショップで当主とワイン談義にしばしの時を過ごし、最後の一本として購入後、ビストロ系レストランに持ち込ませていただいて抜栓後30分で丸みを帯びたグラスへ。照明が暗いため色合いははっきりしないが、透明感のないさくらいろ系のルビー色。甘酸っぱい赤系果実の香りが好印象。歯茎に触れることのない滑らかなタンニンが、全体の基調をチャーミングへと誘導している。エレガントといえなくもない優しさが、シャンボールチックでもあり、女性が造るピノ・ノワール的でもある。しかしそこはブルゴーニュ。奥行き感はなく、やさしいの領域は超えていない。この軽いタッチは、1999を意識するとやや残念でもあり、女性的な味わいを意識すると、なるほどそう言えなくもないと思わせる。余韻はそこそこあるが、うまみ成分はあまり多くはないようだ。

 時間とともに平べったさが表面に出てくる。

 食事とあわせるとコクがない分、存在感の薄さを露呈しかねず、単独で飲んでもこの軽いタッチがどうしても物足りなさを禁じえない。某誌に掲載されてから人気があるというが、んんん。ブルゴーニュクラスではなんともかんともである。ここは彼女のシャンボール・ミュジニ1級の水平テイスティングに興味がそそられる。冷静な判断はその後ということにしよう。ただどこに売っているのだろう。パリでも1ヶ所でしか見かけなかったぞ。

 このやや期待はずれの味わいは、やはり1999を意識しすぎたためだろう。1999という偉大な年といわれているビンテージの過剰反応が、飲んでがっかり、を強要するのかもしれない。1999への不信感は募るばかりであり、それを初登場のギスレーヌ・バルトに求めるのは酷である。

 今回はただバルトを飲んだと記録にとどめるだけにしよう。


以上



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